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  • ズルい男 Vol.2

    ズルい男:「私、彼氏がいるのに…。」35歳の女が、年下男性に不覚にも恋心を抱いてしまった理由

    岡田透、32歳。

    身長182センチ、総合商社勤務で独身、半年前にシリコンバレーから戻ってきたばかり。

    向かうところ敵なしのスペックを持ち、数々の女性をさらりと口説く透はしばしば、“ズルい男”と言われる。

    そんな透には最近、気になる女性がいる。転職してきたばかりの3歳年上の女性・詩織だ。

    詩織は、元外資系コンサルティング会社勤務のキャリアウーマンだが、可憐な見た目で男性たちからの注目を集めていた。

    しかしある日透は、詩織が男性と腕を組んで歩いているのを目撃してしまう。その男性の正体とは…?

    交際一年。詩織が感じる“ある”予感


    「じゃあメインは…鴨肉のロティにしましょう」

    西麻布の『ラ カーヴ ド ノア』での食事中、私の彼、圭吾は眼鏡のふちに手をやりながら、神経質そうにメニューを見ていた。

    物事を決断するときに「~しましょう」と敬語になるのも、眼鏡のふちに手をやるのも、付き合いたての頃から変わらない、彼のクセだ。

    私は以前、外資系コンサルティング会社に勤めていて、去年までニューヨークに赴任していた。帰国後すぐに、友人の紹介で出会ったのが、圭吾だった。

    圭吾は不動産会社の二代目だ。細身で眼鏡をかけた彼は、見た目通りとても几帳面で、何事にも用意周到だ。穏やかで真面目で、少し神経質過ぎるところはあるが、付き合っていて特に不満はない。

    彼とはきっと、近い将来結婚することになるのだろう。

    彼もそれを見越しているのか、最近、品川にあるマンションに引っ越した。1人にしては広過ぎる、1LDKの新築のタワーマンション。もちろん、不動産事業を営む彼の親が買い与えたものだ。

    「1人にしては広過ぎるし…。詩織も、いつ越してきてもいいんだよ」

    圭吾はさりげなくそう言うが、それには少し抵抗があった。

    「私が住むのは、親御さんに申し訳ないわ」

    しかし圭吾は私の言葉に、「両親が買ってくれたとしても、これはもう僕の持ち物だ。気にすることはないよ」とさらりと返した。彼はとても、現実的な性格なのだ。


    私たちは『ラ カーヴ ド ノア』で最後のデザートまでしっかり楽しみ、店を出たあと酔い覚ましに少し歩くことにした。

    あと2週間もしたらクリスマス。西麻布の街は師走らしく賑わっていた。

    次のクリスマスで、私たちは付き合って一年を迎える。そろそろ、プロポーズされるかもしれない。そんな予感があった。

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