私たち、騙された? Vol.11

「これが私の生きる道。」刷り込まれた価値観を捨て、自分の人生を勝ち取った元商社OLの未来

「大企業に入れば、一生安泰」

昔からそう教えられて育ってきた。

有名大学を卒業し、誰もが知っている大企業に入社。

安定した生活を送り、結婚し子供を育て、定年後は年金と退職金で優雅に暮らす。それが一番の幸せだ、と。

丸の内にある大手総合商社に勤める美貴(26)も、そう信じてきたうちの一人。

大学の同級生エミリ元彼のタクヤシンガポール駐在帰りの同期の潤など同世代の話から多くの刺激を受けた美貴。ついにこれまでの“安定”を重視する姿勢や、結婚ありきの他人依存な考え方から脱する決意をする。


「何でうちの会社を辞めたいと思ったんだ…?」

美貴が転職することを告げると、課長は見たことがないくらい動揺し、大変驚いた様子だった。

そのことをエミリに告げると、「そりゃ20年以上も勤めてきた課長からしてみれば、『こんな良い会社を辞めるなんて信じられない』って感じなんでしょう。」とエミリは笑っていた。

11月下旬の日曜日の夜、「昨日、飲みすぎたから」というエミリのリクエストで『マーサーカフェ 恵比寿』で2人はコーヒーを飲んでいた。

「心機一転、年明けから新たなスタートね!私も楽しみだわ。」

美貴も、自分で決めた新しい道を進む未来を想像するとワクワクした。

「私、エミリの言葉がきっかけで『このままじゃダメだ』って本気で思えた気がする。そう思ってなかったら、今でもまだ“安定と大企業のブランド力が一番大事”とか言って、会社にしがみついて痛い目にあっていたかもしれない。」

自分が変わることができたのは、ほんの些細なきっかけだ。そう自覚する美貴は「ふふっ」と笑いながら、少し照れ臭そうにした。

「私は何もしてないわよ。ヨガだの婚活だの言ってる美貴のことを、“もったいない”と思っただけよ。能力があるのに、刷り込まれた価値観に囚われて色んな選択肢を消してるなんて、人生損してるって思ったの。」

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