私たち、騙された? Vol.9

20代での新しい仕事への挑戦は、婚期を逃す…?キリのない「タラレバ」話に終止符を打った女

「大企業に入れば、一生安泰」

昔からそう教えられて育ってきた。

有名大学を卒業し、誰もが知っている大企業に入社。

安定した生活を送り、結婚し子供を育て、定年後は年金と退職金で優雅に暮らす。それが一番の幸せだ、と。

丸の内にある大手総合商社に勤める美貴(26)も、そう信じてきたうちの一人。

シンガポール駐在から帰国した同期の潤の話に刺激を受け、ついに「自分で自分の人生を切り開く」覚悟を決めた美貴。

母に今の自分の素直な気持ちを打ち明けるが、「仕事のことより結婚が先」とバッサリ否定され、困惑する。

昔から両親の期待に応えてきた美貴が、「自分だけの意思」で人生を進めようともがき続ける。


「あ〜誰かいい人いないかな〜。私早く結婚したい。」

仲良し同期との週に1回のランチの日、『ヴィッラ ビアンキ』でトマトソースのパスタを待ちながら、隣で梨花が頬杖をつきながら「はぁーっ」とため息をついている。

梨花は積極的にお食事会に顔を出しているが、なかなか彼氏ができず頭を悩ませてはこうしてランチの時にボヤいていた。

「梨花は、やっぱり結婚が最優先なの?」

美貴は同じ環境で育ってきた梨花と杏奈の考えを聞いてみたいと思い、転職を考えていること、「仕事よりもまずは結婚」と母に言われたことを話した。

「美貴、すごいね。美貴の言うことはわからなくもないけど、結婚してないのに今の安定した生活を捨てるなんて、私そんな勇気出ないよ〜」

梨花は目をまん丸にしながら、こっちを見ている。

しかし、美貴が想像していたよりも、梨花と杏奈の驚きは小さかった。やはり二人とも薄々「大企業での安定した生活のからくり」に気づきながらも、目を背けているだけなのだろうか。

「私は自分一人でちゃんと生きていけるようにならなきゃ、って思うことも何度かあったけど、20代のうちは結婚を優先した方がいいな、って考えてる。仕事を変えるのは何歳でもできるけど、結婚は30歳を過ぎたら急に厳しくなるでしょ?」

杏奈の考え方はいつも現実的だ。きっと、20代女性の大半が考えることだろう。

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