今さら聞けないワインの基礎知識 Vol.7

11月16日解禁!なんとボジョレーの全生産量の半分は、日本に輸入されている!?

11月16日にボジョレーヌーヴォーが解禁!
お店には大きくポスターが貼ってあったり、SNSでは解禁を祝う人の姿を見かけるが、そもそもボジョレーヌーヴォーとはどんなワインか、正確に理解している人はどれくらいいるのだろうか?

知っておけば、きっと更に楽しく飲めるはず。ワインジャーナリストの柳 忠之さんに、基本の「き」から聞いてみた!


Q.それでは早速。
ボジョレーヌーヴォーって何がすごいの?

――そわそわ、そわそわ。

柳「モリリン(注・編集担当の守屋)、今日はやけに落ち着かないね。」

――だって柳さん、今日はヌーヴォーの解禁日じゃないですか。私、学生の頃からヌーヴォーと聞いただけでワクワクなんですよ。

柳「それは筋金入りだ。でもなんでヌーヴォーにワクワクなわけ?」

――TVで騒いでるのに乗り遅れたくないじゃないですか。それ以来、毎年解禁日にヌーヴォー飲んでます。

柳「ガクッ。ただのブームに振り回されただけ? そもそもヌーヴォーが何かはわかってるよね?」

――私が知ってるはずないじゃないですか〜(大いばり)。


ボジョレー・ヌーヴォーは、ボジョレーの新酒


柳「よし、それでは教えてしんぜよう。ヌーヴォー、ヌーヴォーと言ってるけど、正しくはボジョレー・ヌーヴォー。ブルゴーニュ地方南部のボジョレー地区で造られるヌーヴォー、すなわち新酒を指す。

クーパーがミニという車種のいちグレードに過ぎないように、ヌーヴォーがボジョレーのすべてではない。新酒ではないボジョレーもじつはある。」

――全然知らずに飲んでました。それでボジョレー・ヌーヴォーがこんなに騒がれるようになったワケは?

柳「もとはその年の収穫を寿ぐため、地元でできたてのワインを飲む習慣から始まった。ボジョレーの原料品種であるガメイは、炭酸ガス浸漬法という醸造技術を用いると、フルーティで若いうちから美味しく飲めるワインに仕上がるんだ。

それがボジョレーと目と鼻の先の大都市リヨンで楽しまれるようになり、やがて花の都パリにも飛び火した。」

――ところで、ボジョレー・ヌーヴォーには解禁日がありますよね?

柳「よくぞ聞いてくださいました。ボジョレー・ヌーヴォーの人気が高まるにつれ、我先にと出荷を急ぐ造り手や商人が出てくる。ところが急ぐあまり、発酵が完全に終わっていないワインが市中に出回るようになってしまった。

それで粗悪品の流通を防ぐため、解禁日を設けることにしたわけさ。最初の解禁日は1951年に定められた12月15日。その後たびたび変更があり、今のように11月の第三木曜日になったのは1985年だ。」

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