サラリーマン会計士・隆一の迷い Vol.7

「いつまで待てばいいの?」独立開業した男との将来に、新たに生まれた女の苦悩

難関資格の筆頭格である、公認会計士。

―高収入、堅実、転勤なし。

そんな好条件を難なくクリアする”勝ち組”であり、東京の婚活市場においても人気が高い職業の一つである。

しかし彼らにも、悩みはある。

サラリーマン会計士の隆一は、同期である健の転職や上司である冴木の出世争いの敗北を契機に、自分のキャリアに悩み、会社の退職を決断する。

その一方、彼女であるユキは将来について結論を迫り、隆一は、ユキとの将来に真剣であることを伝える。

しかしその後、隆一から突然の独立開業宣言が飛び出したのだった。

独立開業を果たした隆一のこれからは…!?


隆一、念願の独立開業。現在の状況は…!?


会社を辞めて独立開業してから、半年が経過した。

サラリーマン時代の、人間関係の苦悩・嫉妬・出世争いといった悩みからは解放され、晴れて自由の身になったのだ。

…と、思ったのもつかの間で、新たな問題に直面した。

お客さんが増えない。

士業=安泰の神話は過去の話である。手に職があれば、会社への就職はできるかもしれない。

しかし独立開業した場合、それは当然のようには通用しないのだ。資格=集客とはならない。

ユキに「将来のことは真剣に考えている」と言ってみたものの、現状では、結婚なんてできる状況じゃないのは明白だ。

かっこつけてみたものの、現実は甘くない。

僕の中で、”後悔”の言葉が旋回するが、そんなこと言っても始まらない。現状を打開しなくてはならないのだ。

今は、元監査法人の先輩、倉田さんが勤めている会社から、小さな案件の仕事をいくつか振っていただいている。その他は、中小規模の会計事務所でスポット案件のお手伝いをしているだけで、手いっぱいだ。

まるで、バイトみたいな生活である。

今までは、会社のブランドに頼り切っていたことを痛感する。大手監査法人の名前を出せば、友人はもちろん、お食事会でも女性達に一目置かれる存在であった。

しかし、今はそれが通用しない。“北村会計事務所”という、世間では誰も知らない北村隆一という無名の公認会計士を売り出さなくてはならないのだ。

僕は、路頭に迷った仔犬のようであった。

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