サラリーマン会計士・隆一の迷い Vol.5

社内政治は、もうウンザリ…。結婚に夢見る女を絶句させた、想定外の男の決断

難関資格の筆頭格である、公認会計士。

―高収入、堅実、転勤なし。

そんな好条件を難なくクリアする”勝ち組”であり、東京の婚活市場においても人気が高い職業の一つである。

しかし彼らにも、悩みはある。

サラリーマン会計士の隆一、健の転職や上司である冴木の出世争いの敗北を契機に、元監査法人の先輩・倉田のもとへキャリア相談を持ち掛ける。

その一方、彼女のユキは隆一との将来を夢見ているが、煮え切らない隆一の態度に焦りを募らせていた。

早まる気持ちを抑えられない、ユキがとった行動は…!?


ユキは、あることを決意した。

自分から、隆一に結婚の話を持ちかけようと。

もちろん少なからず、抵抗は感じている。普通は男からするものでは?と。

しかし、結婚した友人たちは彼氏に少しずつプレッシャーをかけていったことを思い出し、ユキは決意を固めたのだ。

隆一から言って欲しいという気持ちはあるが、彼からプロポーズされることを、今は期待できそうにない。



ユキと隆一の出会いは、大学の先輩である倉田さんがセッティングしてくれた食事会だった。

当時は失恋したばかりで、あまりそんな気分にもなれなかったが、倉田さんからのお願いということで断れず参加した。

場所は、銀座の『ahill ginza』

ユキは、目の前に座った隆一を見て、一目惚れした。背が高くすらっとしたスタイルに加えて、端正な顔立ち。おまけに、公認会計士。

―“この人しかいない”

終始、隆一の同期である健がその場を盛り上げていたが、ユキの視線はずっと、隆一に向けられていた。

食事会終了後、早速、倉田さんから聞かれた。

「隆一のこと気に入った?」
「え、わかりましたか…」

倉田さんの情報によると、隆一はいま仕事漬けの日々で彼女はいないとのこと。

ユキは即座に行動に移した。一目惚れから、猛烈なアプローチへと変わり、そして3回目のデートでユキから告白した。

ダメ元で告白したのだが、即座に「OK」と言ってくれたときは心臓が飛び出るほど嬉しかった。



今回も、緊張する…

本当は自分から言いたくないが、“草食会計士”には、女がリードするしかない。

待ち合わせの時間ぴったりに、隆一が現れた。いつも通りのことなのに、緊張して心臓がバクバクする。

でもさりげなく切りだせるように、席に座って乾杯したあとは、いつも以上に笑ってみせた。

そして、とりとめもない会話の中で、ユキはふと聞いてみた。

「隆一、私との将来考えてくれている…?」

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