私たち、騙された? Vol.4

女は、ツラいよ。“一般職=お嫁さん候補”時代の3年間を生き抜いてしまった、女達の末路

「大企業に入れば、一生安泰」

昔からそう教えられて育ってきた。

有名大学を卒業し、誰もが知っている大企業に入社。

安定した生活を送り、結婚し子供を育て、定年後は年金と退職金で優雅に暮らす。それが一番の幸せだ、と。

丸の内にある大手総合商社に勤める美貴(26)も、そう信じてきたうちの一人。

大学の友人エミリから元彼・タクヤの転職を聞き、久しぶりの再会を果たした美貴。

タクヤの魅力にようやく気づくが、あえなく撃沈。自分の過去の選択に対し、疑問を持ち始める。


「それで、美貴。タクヤ君はどうだったの?」

同期の杏奈が自慢の黒髪ロングヘアを結びながら、メニューを選んでいる。

仲良し3人組で食べる週に1回のランチの日。今日は杏奈が好きな『ムーチョ モダン メキシカーノ』に集合した。

「うーん。特に何もなかったけど…。ずっと目をキラキラさせながら仕事の話をしてた。ああいう人、うちの会社にあんまりいないから、なんか戸惑っちゃった。」
「えー!いいじゃん!!素敵!」

とりあえず「特に何もなかった」と言ったものの、隣の梨花が明らかに「期待の目」でこっちを見ている。

「美貴がタクヤ君と別れた理由って、彼がベンチャーに就職したからだよね?もう1回やり直すとか考えないの?ほら、優太さんとも微妙な感じって言ってたから…」

いつも通りクールに話を聞いている杏奈が冷静に切り込んでくる。

「うーん。でも、久しぶりに1回会っただけだし…。」

タクヤの新しい彼女の存在を、なんとなく言い出せなかった。それは、プライドを守りたいとかそういう単純な感情ではない、美貴の中で渦巻く複雑な感情からだ。

ー自分が逃した元彼が、自分とは対照的なバリキャリ女子と交際中。

タクヤの現状は、中途半端で未熟な美貴に現実を突きつけた。

杏奈は美貴の様子を察し、それ以上は聞いてこなかったが、梨花が話を続ける。

「実際、ベンチャー企業勤めの彼と結婚なんて親が絶対に許してくれないもんね。好きでもどうしようもないことってあるよ」

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