2011.10.21
受け継がれる美食遺伝子 Vol.2TOKYOフレンチ、次の一手を生み出す遺伝子
TOKYOフレンチ、次の一手を生み出す遺伝子
21世紀最初の年にオープンして以来、常に昼夜席が埋まる『ル・ブルギニオン』。菊地美升オーナーシェフが作り上げた“満席遺伝子”はふたりの弟子にもしっかり受け継がれている。遺伝子の核となるのは、言わずと知れた肉料理。さあ、東京フレンチの“今”が息づく三者三様の肉スペシャリテをご覧あれ。
まず、師匠、菊地氏が造り続けるライフワークのひと皿「ブッフ・ブルギニオン」から。「内容は毎年少しずつ変えているんです。和牛の品種をいろいろ試したりして。今年は原点回帰の骨付きです」と菊地氏。
その下でかつてスーシェフを務めた下野昌平氏。代官山『ル・ジュー・ドゥ・ラシエット』で腕を揮っていた頃は少量多皿で評判を得たが、『ア・ニュ ルトゥルヴェ・ヴー』でオーナーシェフとして独立するや一変。 「修業してきたベースがクラシックなので赤ワインを使ったソースの料理がやりたくて」とジビエの中でも最もクセのあるライチョウでヘヴィに勝負する。
そして、『ル・ブルギニオン』を経て、『レストラン カンテサンス』で修業の仕上げをした『フロリレージュ』川手寛康オーナーシェフ。今年イチオシ素材はフォアグラだとか。これを「正反対のものを合わせて、互いの個性がより引き立つ」逸品に。思えば、内臓料理は菊地氏の師匠、『マノワール・ダスティン』五十嵐安雄オーナーシェフから続く“お家芸”。東京フレンチ“遺伝子の核”は確実に過去から未来へと手渡されている。
今年はUSA産の骨付き牛を塊で使用。骨付きなので煮込みに時間がかかるが、その分、牛骨の旨みが出る。そしてワイルドなビジュアルも魅力のひとつ。トッピングには牛肉の大定番ともいうべきオニオンとマッシュルーム、ベーコンを乗せて。パスタ付きで¥3,990
※こちらの店舗は現在リニューアルしております。掲載内容はリニューアル前の情報です。
ライチョウ特有の風味はエサとして食べてきた針葉樹のフレッシュな香りが由来だとされる。これを野ウサギ料理の定番、リエブル・ロワイヤルをイメージして、赤ワインで煮込んだ。コースにも組み込めるが、アラカルトでしっかりと味わうのがお薦めだ。¥10,000
フォアグラの柔らかい食感とメレンゲのサクサク感、リンゴヴィネガーの酸味とヘーゼルナッツの甘さ、などひと皿の中に相対する要素が並ぶことで、お互いをより引き立てる。デザートアイテムのメレンゲでメイン料理を作った事も革新的。¥10,500のコースより
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