寿退社したものの Vol.11

寿退社したものの:働くママは邪魔者扱い?それでも、めげずにいられるワケ

結婚したら、寿退社♡

一昔前まで、それは女性の人生における最初の小さなゴールだった。

家庭に入り、料理の腕を磨き、夫の帰りを待つ。

だが、2017年の東京で「専業主婦」は、本当に憧れるべき存在だろうか?

専業主婦だった志穂は、自立のため復職した。仕事のことで義母ともめるなど上手くいかず、思わず家を出てしまうが、結果夫婦仲は安定した。


突然の勧告


「え…週に1回、ですか…?」

ひなの体調も良くなり、気持ちも新たに出社した月曜日のことだった。

ちょっと、と社長に呼び出され、いきなり出勤日数を減らして欲しいと言われてしまい、志穂は困惑していた。

「うちもさ、急に人が増えたでしょ。忙しくなったし、週5で電話番とか事務をしてくれる派遣の人を雇うことになったんだよね。」

週3日という中途半端な時間しか働けない自分は、用済みということだろうか。自分があの時フルタイムを断らなければ…という想いが一瞬、頭をよぎった。

「…承知いたしました。」

「シフトの件は篠崎ちゃんと相談しておいて。」

それだけ言うと、社長はそそくさと自分のデスクに戻っていく。心なしか冷たく感じるのは、気のせいなのか。

先日のランチで志穂に「ママは子供が熱だと言えばすぐに帰れる」と言い放った女子社員が、こちらを見ている気がする。

また康介に色々相談しないとなぁ、と志穂は深いため息をついた。

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