Q2:1軒目では良い感じだったのに、2軒目で態度が急変したのはナゼ?
2軒目は、恵比寿の隠れ家的バー『THE PLATFORM』にした。
便利な場所にあるのに意外に知られておらず、赤っぽい照明がデート用にもいい。軽く一杯飲みたい時に使える店だった。
「陽菜ちゃんは、何飲む?」
「そうだなぁ。赤ワインをグラスでいただこうかな。」
そう言った時、陽菜の肘と僕の肘がぶつかった。
金曜日の夜、やや会話が聞こえづらいカウンターの中で、僕は陽菜の椅子の背もたれを掴んだ。
そうすることで、陽菜が僕の腕の中にすっぽりと収まるような体勢になり、ぐんと距離が近くなる。
陽菜もまんざらでもない感じで、さっきより少し前のめりに話している。デートは、徐々に盛り上がりを見せてきた。
「へぇ〜ハヤトさん、大学時代はテニスサークル所属だったんですか?イメージのままですね。」
楽しそうに話しながら、気がつけば陽菜のグラスは空になっていた。急に飲むピッチが早くなった陽菜を見て、だいぶ心を許してくれていることに気がつく。
朝が早かったはずなのに、こうして急遽もう一杯飲めることになった。これはこのデートが楽しかったという証だろうか?
ここでしばらく飲んだ後、どこかへ行くか、それとも最初のデートだから紳士的に解散すべきか...
こちらの飲むペースも思わず早くなる。次に打つべき一手を考える前に、とりあえずもう一杯飲もう。
「陽菜ちゃん、次は何飲む?」
さりげなく陽菜に尋ねると、陽菜からは素っ気ない返事が返ってきた。
「すみません...明日、朝が早いからそろそろ帰りますね。」
—え...このタイミングで?!
僕の次の一手の妄想は、現実に引き戻された。
時計を見ると、この店に入ってから30分くらいしか経っていない。
しかし事前に朝が早いと言われていたし、仕方ない。むしろこの一杯を、 無理やり付き合わせてしまっていたのだろうか。
そうだとしたら申し訳ないが、陽菜の方から2軒目に行こうと言ってくれた。これは、少なくとも1軒目のデートは楽しかったという認識でいいのだろうか。
読めない陽菜の気持ちに戸惑いながら、お会計を済ませると“ご馳走様でした”と言いながら、颯爽とタクシーに乗り込んで陽菜は去っていった。
去りゆくタクシーを見ながら、 恵比寿4丁目の交差点で僕は一人で頭を抱える。
—このデート、成功だったのか?失敗だったのか?!
楽しくなかったならば、2軒目には行かないはずだ。しかしこの切り返しの早さの意味がわからずにいる。
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女性が言う「明日朝が早くて」。その本当の意味は?
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この記事へのコメント
爽やかかと思ったらやっぱそっちかよ、、みたいな。
一気に飲んだのもこれ飲んでさっさと帰ろうの意の表れだと思う。
女性からするとまだそんなに親密になっていないのに腰に手を回されるのと、同じような感覚になると思う。