東京には、都合の良い勘違いをしている女が多い。
麻布十番で会員制サロンを開いている麗子のもとにも、毎週のように勘違い女が現れる。
麗子は毎週日曜日になると、その週に出会った女たちを振り返るのを趣味としている。
さて、今週麗子を驚かせた女とは?
「日曜日の女」一挙に全話おさらい!
第1話:唖々悲しきかな、勘違い乙女。モテる小悪魔気取りな女の、哀しい実態
明日は久々のオフだ。
店を任せている陽子への連絡事項をメールで送り、麗子は店を出た。
「それにしても、今週水曜日に来たカナさん、強烈だったわ…。」
誰に聞かせるでもなく、麗子はひとりごちた。
カナは最近アンジュールに通うようになった常連で、月に2回は店にやってくる。
そうして、やってきては思わず閉口してしまうような「モテ自慢」をしていくのだ。
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第2話:「既婚」であることだけが誇り。価値観押し付け女から垣間見る、隠された心情
「岡野さん、凄かったんですよ。何気ない世間話をしていたと思ったら、いきなり結婚してるのかどうか聞いてきて。してない、って言ったら上から目線でめちゃくちゃ既婚自慢されてしまいました…。」
陽子は26歳で年齢的にも結婚を意識しだす頃だが、いきなり客に「結婚しているんですか」と聞かれ、かなりの憤りを感じたらしい。
「こんなこと言ったら失礼かもしれないんですけど…。岡野さんって、その、フツーじゃないですか。」
そう言われて、麗子は岡野マリの全体像を思い出そうとした。
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第3話:道ならぬ恋にハマる女を蝕む「希望」という名の幻想
始まった、と麗子は身構えた。
朋美は、こうして施術が始まって数分もしないうちに勤務先の医師との「逢瀬」についてあけすけに語りだす。
配属直後に彼からアプローチされ、君だけが特別に輝いて見えた、と言われたこと。
奥さんとは上手くいっておらず、寝室も別々なこと。
その家庭には小さな子供もいるはずなのだが、もう離婚は秒読みだということ…そんな話を、嬉々として語る。
その度に、麗子はどこかで見聞きしたことがある話だ、とため息をつく。
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第4話:そのSNS自慢、見透かされてますよ。人をザワつかせる自慢投稿の共通点
麻子の投稿は、こんな調子だ。
「今日も暑いので、みなさま水分補給を忘れずに♥」
そんな毒にも薬にもならないコメントと共に、ギリギリでベンツのロゴが見えるように写された車のハンドルと、そのハンドルを持ち一目でヴァンクリとわかるアクセサリーをつけた左手の写真がアップされている。
…この微妙な違和感を、なんと表現したら良いのだろうか。
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第5話:図々しさは大スター以上?多発する自称インフルエンサー女の心理とは
今度は麗子が目を丸くする。
モデルの紹介だから、インフルエンサーだから、店にサービスの代金を払わなくてよい、とでも言うのだろうか。
確かにカナが口にしたケイは、アラサー女性を中心とした読者の多い雑誌のレギュラーモデルであり、宣伝のために、人気モデルのケイには何度か無料で施術を行ったこともある。
しかし、その友人の紹介だからと言って、麗子にとっては全くの無名に等しいカナが会計を払わないつもりでいたことに、驚きを隠せない。
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第6話:上手くいかない己の人生を、他人のせいにするエリート美女の思考回路とは
美奈子は、まるで女優がセリフを喋るように淀みなく彼女たちをこき下ろす。
麗子自身も誰かの庇護の元で生きていきたい、と思うようなタイプではないが、しかしそこまで自分と違う生き方の女性たちを目の敵にする必要はないのではないか。
そんな風に思わず感じてしまうほど、美奈子の言葉は容赦がない。
「ファッションも、なんかみんな判を押したように似たような雰囲気なの。二の腕が太いのに平気でノースリーブ着てきたり、センスも客観性も皆無っていうか。」
…美奈子の彼女たちに対する憎悪は、相当のものだろう。
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第7話:中途半端で世間知らず。そんなお嬢様が手にする幸せなんて、たかが知れている?
ただ、最近の麗子は、彼女のことが心配でならないのだ。
同居している両親にたっぷりと甘やかされて育ったからか、大学を卒業した後も正社員の仕事は続かず、現在は家事手伝いという名目に落ち着いている。
さらには恋愛も上手くいかず、問題のある男とばかり付き合っている。
爽やかなイケメンスポーツマンだが3股、4股は当たり前だった男。地味で真面目だけが取り柄だと思い付き合っていたのが、実は既婚者だと判明した男など。思い返してもロクな男がいない。
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この記事へのコメント
男性が夜のお店で上から目線で自分語りするのと一緒でイチイチ間に受けるエステシャンてどうかと思う