寿退社したものの Vol.7

寿退社したものの:夫を狙うライバル出現?仕事復帰した専業主婦に、心休まるヒマはない

結婚したら、寿退社♡

一昔前まで、それは女性の人生における最初の小さなゴールだった。

家庭に入り、料理の腕を磨き、夫の帰りを待つ。

だが、2017年の東京で「専業主婦」は、本当に憧れるべき存在だろうか?

結婚したら、母親と同じように専業主婦になることに疑いを持っていなかった志穂。だが、家事・育児をまったく手伝わない夫・康介に不満を募らせていた。

自立しようと仕事復帰を試み、ついに復職。夫との仲も修復しかけたように見えた。


順調な日々


仕事を始めて1ヶ月。

志穂は、育児と仕事の両立のコツが掴めるようになってきた。

仕事のない日に、まとめて日持ちのする常備菜をいくつも作っておく。冷凍のハンバーグや下味をつけた鶏肉など、康介やひなの好物をストックするのだ。

こうしておけば、仕事のある日にバタバタせずに、家族にきちんとした食事を食べさせることができる。

ママ友の何人かは「家事くらい、ご主人に手伝って貰えばいいじゃない」と言っていた。

しかし、激務で知られる広告代理店勤務の夫に、家事の負担を真っ向から訴えるというのも、志穂はなんだか違う気がしてしまうのだ。

聖羅に核心を突かれて以来、志穂は自分の選択に文句や泣き言を言うのをやめた。

激務の夫を選んだのも、自分。

寿退社をしたのも、自分の選択だ。

「なぜもっとこうしてくれないのか」と相手を責め、自分の置かれた状況を責めているだけの状態では、あまりにも自分が情けない気がする。何より、娘のひなに顔向けできない。

少しずつでもいいから、人生の舵取りは自分でするのだ。

そんな風に心を決めた志穂の毎日は、少しずつ好転していったのである。

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