港区おじさんコレクション Vol.10

“港区おじさんコレクション”のポートフォリオ入りを判断する、3つのチェック項目

外資系投資銀行でバックオフィスを担う、有希、30歳。

港区の酸いも甘いも知り尽くした彼女に与えられた呼び名は、“港区おじさんコレクター”。

数々の港区おじさんをコレクションしていた有希のポートフォリオに突如として入り込んできた浩介によって啓一との苦い記憶を呼び起こされた有希。

しかし大輔の力強い助言により前向きな気持ちを取り戻すと、過去を清算し、新たなポートフォリオを組み始めることにする。

彼女は港区の完全紹介制パーティーで見つけた隆志康孝とのディナーを経て、休日デートに出かける相手を見つけた。


チェック項目①デート前。時間設定で分かる、男の本気度合い


ランチに向かう女性たちやカップルがにぎわう中目黒駅の前で、有希はワンピースの裾をはためかせながら待っていた。

今日は、先日の完全紹介制パーティーで出会った翔太との休日デートだ。

IT系ベンチャー企業のCTOである翔太は、SNSパトロールも、平日ランチでの査定もクリアした港区おじさんだ。

「ごめん。待たせちゃったね。」

白いTシャツにジーパンという気軽な格好で現れた翔太は、有希の鞄を受け取るとスタスタと代官山方面に歩き出した。

「どうせ、いっつもタクシーなんでしょ?たまには歩こうよ。」

そういって笑顔を向けた翔太の顔は、随分と眠そうだった。

「昨日、遅かったんじゃないですか?無理しなくても、会うの夕方からでも良かったんですよ?」

土曜日の12時を集合時間に指定してきたのは翔太だった。ずばりと言った有希の質問に、翔太は照れくさそうな表情を浮かべると、こう語った。

「有希ちゃんディナーなんて誘われ慣れてると思って。どうしたら印象に残るデートにできるか考えてたんだ。有希ちゃんの知り合いの中に土曜日の昼から集まろうなんて相手少ないでしょ?しかも車じゃなくて徒歩とか。」

確かに有希の周りの男性は、金曜日の夜は遅い時間まで仲間や女性と過ごし、土曜日はなるべく昼頃まで寝ていたいという人が多い。有希も今までは休日のデートと言えば、夕方または夜の時間帯からの待ち合わせが多かった。

「変な人。しかもなんで駅と反対側から歩いて来たんですか?」

有希が怪訝な顔で見上げると、翔太は大真面目に答えた。

「間違えるとかっこ悪いから、道を1度予習してきたの。」

自分に関心があるのには気付いていたが、ここまでストレートに伝えられると、有希は返す言葉もなかった。

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