港区おじさんコレクション Vol.6

プレゼントを受け取らぬ港区女子への、港区おじさんの秘策

外資系投資銀行でバックオフィスを担う、有希、30歳。

港区の酸いも甘いも知り尽くした彼女に与えられた呼び名は、“港区おじさんコレクター”。

彼女のポートフォリオには、業界のスーパースターである勇人、甘い時間を提供する、監理銘柄の慎吾、月日をかけて育てた和夫、そして遠征要員の遼一などがいる。

港区おじさんから食事はおごられても、贈り物は嫌いな有希。そんな彼女がプレゼントを受け取る相手とは?

「お願い」を叶える港区おじさん


16:00

有希が長々と続く会議から戻ると、ぴょこぴょことデスクに向かってくる晴香の姿が見えた。

「有希さん!有希さん!見て見て~」

晴香は、エリカと同じセールス部門に所属する4歳年下の後輩だ。人懐っこさが可愛らしく、エリカはライバル視しているようだが、有希は入社当初から妹分と呼ばれるほど可愛がってきた。

「じゃーん!買ってもらいました!港区おじさん、ありがとう~!」

クルッとその場で小回りすると、真新しいパンプスを誇らしげに見せた。

「あら、可愛い。欲しがってたフェラガモの最新作じゃない。センスが良い方なのね。」

晴香は、デートしている男性も、行ったレストランも、最近した悪いことまでもを有希に報告をしてくれる。信頼の証だとは思うが、男性からすると有希に筒抜けなのはバツが悪いだろう。

自由奔放な晴香は、大のおねだり上手で、仕事でもプライベートでもその本領を発揮している。行きたいレストランも、着たい洋服も、住みたいマンションも。彼女の「お願い」はなんでも望み通りになる。

一種の才能だとは思うものの、有希は、自分で支払える範囲を超えた贅沢は、借金のような怖さを持つ気がしている。

若い時はその贅沢が自分を大きく見せてくれる役割を果たしても、年を重ねて「お願い」が叶わなくなった時、自分を苦しめる原因になる。レバレッジをかけすぎて良いことはないのだ。

「そういえば、有希さん。この前のディナーの時にこれ落として行きましたよ。なんですかこれ?」

晴香が差し出したトランプのカードを見て、有希は体が少し火照るのを感じた。

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