東京美食MAP 10の街 西麻布の本命割烹 Vol.1

カスミテイマツバラ

霞庭まつばら

出汁への拘りに見た割烹という仕事の本来の意味

左.琵琶湖で捕れた天然鰻を白焼きに。蒸さずに直焼きにするのが松原流。脂はのっているものの、身は締まって後味はさっぱり

右.鱧と冬瓜のお椀。夏の日本料理の花形ともいえる鱧が主役。冬瓜が涼感を演出する。以下、料理は¥12,000のおまかせコースより

丁寧な仕事が心に沁みる、ベテランの職人の新境地

旬の味覚を少しづつ楽しめるおまかせコースも悪くはないが、時には食べたいものを食べたいように、自分の流儀で味わう醍醐味も捨てがたい。そんな手練れな喰いしん坊たちが夜な夜な集う、西麻布の隠れ家。それが、ここ『霞庭まつばら』だ。

オープンは昨年の9月25日と店はまだ新しいものの、ご主人の松原博秋氏は、この道30余年の大ベテラン。今は失き、西麻布『京善』では、11年間料理長を務めたほどのキャリアの持ち主である。

「本来的な意味での割烹を目指しています」のひと言に偽りなく、ここではカウンターが特等席。目の前で削るかつおぶしの軽快な音や香り、炭火で焼き上げられていく鮎の芳ばしい風味。料理が作られていく様子を、五感で感じながら頂くシズル感もまた味のうち。

豊富に揃う一品料理の中から、その日の気分に合わせて自分好みの献立を決めていくのもよし。野菜のおひたしを食べたい、鱧を天ぷらで……などの我儘も材料さえ揃えば快く応じてくれる柔軟さは、まさにカウンター割烹ならではだろう。

「料理をゴチャゴチャと飾りたてるのではなく、食材をストレートに味わってほしい」との氏の思いは、そのお椀ひとつからも伺えよう。ともすれば、かつお出汁にシフトしがちなお椀の出汁も、ここでは、椀の具材によって、出汁自体を微妙に替える芸の細かさ。

例えば、写真の「鱧と冬瓜のお椀」にしても、ベースの出汁に鱧の骨からとった出汁をプラス。鱧の風味をより一層引き立てるといった按配だ。椀種が、鯛なら鯛の、オコゼならオコゼの出汁を、となるわけで、それらを加えるベースの出汁も、定番のかつおでは旨みや香りが強すぎて、具材の持ち味を損なうこともあるからと、さっぱりとしためじ鮪を使う念の入れよう。

また、注文を受けてから炊き上げる土鍋の炊き込みご飯も看板メニューのひとつ。月替わりで、常時2~3種は用意されている裏メニューも見逃せない味だ。

7席のカウンターのほか、個室も4部屋用意されている

左.職人の命ともいえる包丁など手入れの行き届いた道具類、器にいたるまで氏の思いを具現化する

右.うにと枝豆の炊き込みごはん。炒り大豆を加えて芳ばしさをプラス。こちらは2人前で¥3,500


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