東京美食MAP 10の街 西麻布の本命割烹 Vol.2

オリョウリ ジュシュウ

御料理 壽修

培った技を料理に込めて。人生を賭し、独立を果たす気概

左.伊万里牛の炭火焼を、唐津の黒茶碗に盛り付ける。器は江戸時代の椀など、骨董品を多く揃える

右.無花果と日向夏 真子鰈の昆布締 土佐酢と山葵のジュレ。料理は¥12,000のおまかせコースより

昨秋オープンの新店ながら、すでに漂う気品と風格

「お客様と向き合える、カウンターのある店がやっぱりいいなと」凛とした空気の漂う店内で、店主の先崎真朗氏は言う。西麻布は「土地勘があった」場所で、『西麻布 拓』では開店時から料理を中心に担当してきた。カウンターにこだわったのは10年ほど、大阪で修業しており、最も長く居た店がカウンター主体の割烹だったから。孟子の「ただひたすらに自らを尽くして身を修める」という意味の言葉から二文字を頂戴し、店名とした。

「漢詩に詳しい祖父が喜寿のお祝いの時に自分で揮毫した言葉」軒先に見られる店名はお祖父様の字をそのまま使ったもの。意味はもちろんだが「祖父の書く字が好きだったから」と笑う。どこか飄々とした人柄なのだ。しかし、料理は堂々たる風格と艶やかな気品漂う仕上がり。

12,000円のおまかせコースのみを供し、「奇を衒わず、シンプルに美味しいもの」と語る10品ほどからなる。基本型はあるが客に応じて量など、臨機応変に対応する様はすでに百戦錬磨の手練のよう。佐賀の出身ゆえ九州からも多くの食材が届き、器は「好きで集めていた」骨董品や作家ものが揃う。支度ぶりも、全てにおいて抜け目がない。ここはやはり店主と向き合うカウンターに。そうすればきっと虜になる。

右.カウンターの向こうで料理に勤しむ先崎真朗氏。約10坪の店内だが天井も高く、開放的な印象

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