SPECIAL TALK Vol.34

~最先端医療とともに既存のルールを破り続け、難病患者の希望になりたい~

ボードゲームと読書に明け暮れた少女時代

金丸:子どもの頃はどんな遊びをされていたんですか?

高橋:一人でボードゲームを延々やっていました。敵と味方の両方を自分でやって、たまには3人分やったりして。

金丸:それは大変だ(笑)。でも自分と敵の対戦だったら、やっぱり自分が必ず勝つようにしてたんでしょ。

高橋:いや、どちらが勝ってもよかったです。相手の動きを受けて、じゃあどうするか、どう動いたら勝てるかっていうのを、両方の立場で必死に考えていましたね。今になってみると、あれはすごいよかったと思うんです。いろんな戦略を考えることの基本は、このときに培われたのかもしれません。相手の考えを読むというか。

金丸:高橋さんが挑戦されたiPS細胞の移植にしても、いろいろな立場の人が関わっていたんですよね。

高橋:そうですね。科学だけじゃなくて行政も含めて、いろんな人の調整をしないといけなくて。お世辞もあるでしょうが、「高橋さんじゃないとできなかった」と言ってくれる方もいます。

金丸:偉業の陰には、ボードゲームがあったんですね。やはり小学校の頃から、勉強はよくできたんですか?

高橋:勉強は好きでしたよ。金丸さんは?

金丸:好きじゃなかった(笑)。

高橋:小学校といえば、担任の先生に「男子はみんな高橋さんの言うこと聞くね。私よりも言うことを聞かせるのが上手」と言っていただいたのを覚えています。

金丸:じゃあ、リーダーシップもあったわけですね。

高橋:割と。人が何を考え、こう動くだろうっていうのが、なんとなくわかりましたから。

金丸:ボードゲームのほかには、何が好きでしたか?

高橋:読書が大好きでした。

金丸:いつごろから?

高橋:小学校の低学年から。一番好きだったのは『シャーロック・ホームズ』です。

金丸:僕もです。豊臣秀吉みたいな歴史上の偉人の本も好きだったけど、『シャーロック・ホームズ』は全部読みました。

高橋:私も読みましたよ。ホームズは憧れの人です。初恋かもしれない。読みながら、本当にドキドキして。

金丸:じゃあ『ルパン』も?

高橋:『ルパン対ホームズ』という巻がありましたね。

金丸:そうそう。正義の味方と泥棒の対決なんだけど、心情的には、僕はルパン(笑)。高橋さんは当然ホームズ派、ですよね。

高橋:ワトソンです。

金丸:ワトソン!?

高橋:ワトソンの気持ちで読んでました。実は2番手が好きなんです。トップをサポートするのが好きで。

金丸:とてもそんなふうには見えない…。

高橋:今はね。誰も信じてくれない(笑)。

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