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それも1つのLOVE Vol.16

それも1つのLOVE:そして誰もいなくなった。27歳独身商社マンが孤独を感じた瞬間

それもまた1つのLOVE。

愛してるとは違うけど、愛していないとも言えない。

あなたの身にも、覚えはないだろうか…?

翔平は学生時代からずっと高嶺の花だった衣笠美玲と、いつしか“特別”な関係となる。

美玲は突然婚約を宣言するも翔平を自宅に誘い、ふたりは一線を超える。しかし翔平の告白に対し美玲は「もう遅い」と言い放つのだった。

一方翔平は高校の同級生・奈々とも曖昧な関係を続ける。しかし翔平の煮え切らない態度が原因で、彼女ともついに音信不通となってしまう。


完璧な幻


美玲の結婚式に出席した数日後。

翔平が昼食を終えてデスクに戻ると、事務職の女性たちが雑誌を囲み興奮気味に話していた。

「このドレス綺麗!ヴェラ・ウォン、憧れちゃう♡」

「やっぱり、婚約指輪はハリー・ウィンストンだったね」

...また、誰かの結婚話で盛り上がって......


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それも1つのLOVE

恋人という存在が、2017年現代の東京では、曖昧になってきている。

その人とオフィシャルな関係になる気がなくとも、その人に「彼氏・彼女」ができると、少しだけ胸が苦しくなる。

決して都合の良い関係ではない。だが、人生をかけて愛したいというのも違う。

多様化した愛の形が、今、顕在化してきている。

愛してるとは違うけど、愛していないとも言えない。

あなたの身にも、覚えはないだろうか?

そう、それもまた1つのLOVEである。

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