それも1つのLOVE Vol.7

同棲が決まり、見えてきた“安定した未来”。だがそれはただの“平凡な未来”だった

それもまた1つのLOVE。

愛してるとは違うけど、愛していないとも言えない。

あなたの身にも、覚えはないだろうか…?

女性誌でライターをしている奈々は、高校時代に淡い恋心を抱いていた翔平と渋谷で再会する。

しかし彼の隣には、同年代の女性から羨望と嫉妬を集めている美女・美玲の姿が。ふたりを目撃した奈々は、ステディな彼・優一がいるにも関わらず心乱される。

思いがけず、翔平からデートの誘いを受ける奈々。しかしディナーの帰り、衝動的に翔平の手を掴むがやんわり拒否されてしまう。


「うまくやるために、必要なのよ」


「どうして優一さんのこと、言ったの?」

仕事の合間にランチで入った『雲林坊』

迷いなく注文した汁なし担々麺をすする手を止め、同僚のさゆみが奈々に、咎めるような目を向けた。

翔平からデートに誘われた夜、彼氏の有無を問われた時に、奈々が優一の存在を隠さなかったことが、さゆみには理解できないらしい。

しかも、優一のことを言わなければ、翔平の手を掴んだ奈々を、彼が拒否することはなかった、とまで断言するのだった。

「どうして、って…隠す必要がないわ。翔平のことは確かに気になるけど、私は優一と同棲するって決めたから。優一の存在を否定するのは、違うって思ったのよ」

―5人の男をシーン別に使い分けるさゆみと、私は違う。

心の中でそう主張したが、声には出さないでおいた。

しかし奈々の言葉を聞いたさゆみは「わかってない」とでも言いたげに、大げさにため息をつくのだった。

「私は、奈々が優一さんと今後末永くうまくやっていくためにこそ、翔平くんが必要だって言っているの。それも、1つの愛だと思うんだけどな」

さゆみの論理はいつも常人とかけ離れていて、到底理解できない。だから奈々は今回も、彼女の忠告を聞き流した。

「欲望を1人の男で満たそうとするから、破綻するのよ」

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