東京マザー Vol.13

東京マザー:もっと早く気づけたはず…!子どもより仕事を優先させた女の罪悪感

子を産み、子を育て、家を守る。

昔からあるべき女性の姿とされてきた、“良妻賢母”。

しかしその価値観は、現代においてはもう古い。

結婚して子どもを産んでも、男性と同等に働く女性が増えた今こそ、良妻賢母の定義を見直す時だ。

レコード会社で働く佳乃は出産後、時短勤務で復職したが家事と仕事で追いつめられ、ついに離婚を切り出してしまった。紀之は、それを仲の良い同期に相談解決策を提案された。


大事な会議を終えて、資料をまとめていた15時。その電話はかかってきた。

保育園からの呼び出しだ。

―せめてあと1時間後であればよかったのに……!

どこにもぶつけようのない悔しさと苛立ちが、佳乃を包囲する。

16時であれば、時短勤務の佳乃は早退にならない時間だ。だが、時計はまだちょうど15時を指したところ。

残りの1時間で仕上げようと思っていた資料はまだ手を付けたばかり。

それでも、あかりを迎えに保育園へ行かねばならない。

だが、こうして熱が出たからと行って急いで保育園に迎えに行っても、家に帰ると元気に遊んでいたりするのだから、その姿を見ると安心する反面、がっくりと肩を落とすこともある。

だから今日もまた、迎えに行っても大したことはないのだろう。そう思いながら、部署のメーリングリスト宛に、早退の連絡を入れる。

そして、頭を下げながらバタバタと会社を後にしたのだった。

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