港区内格差 Vol.14

ジム代に毎月20万!健康診断書を見せ合って競うのが、港区上層部の主流

港区であれば東京の頂点であるという発想は、正しいようで正しくはない。

人口約25万人が生息するこの狭い街の中にも、愕然たる格差が存在する。

港区外の東京都民から見ると一見理解できない世界が、そこでは繰り広げられる。

これはそんな“港区内格差”を、凛子という32歳・港区歴10年の女性の視点から光を当て、その暗部をも浮き立たせる物語である。

港区タワマン・オワコン説に異論を唱え、三田在住なのに麻布十番と言うCAに出会ったり、港区民が何故ハワイ好きなのかを考えた。


「凛子、顔色悪いけど大丈夫?」

今日は婚約者の雅紀と、葉山へ行く約束をしていた。しかし家を出ようとした途端に、軽い目眩を覚える。

「うん、多分大丈夫...昨晩、少し飲み過ぎたのかも。」

昨夜は美奈子と、昔遊んでいた男友達と久々に西麻布界隈へと繰り出し、朝3時まで知り合いのバーで飲んでいた。

雅紀には言っていないが久しぶりにテキーラも飲んでしまい、朝から調子が悪い。

「無理しなくていいよ。体調が悪いなら、また別の日に行こう。」

雅紀の優しさに救われる。が、すぐに雅紀は踵を返し、こう言い放った。

「そしたら、凛子は寝ときなよ。僕はちょっと走った後、ジムに行ってくるから。」

行ってらっしゃい、としか言えないまま、雅紀は着替えて走りに行ってしまった。

ポツンと部屋に残さて、ふと考える。雅紀のジム代は、毎月5万。

週末はサイクリングやサーフィンに行き、知人と一緒に出ている大会出場費や遠征代など諸々の出費を考えると、毎月最低でも10万はかかっている。

二日酔いの頭を抱えながらカウチにゴロンと寝転がっていると、気がつけば深い眠りに落ちていた。

しばらくして、雅紀からのLINEで目が覚める。

—しっかり休んで、早く体調よくなってね。二日酔いは時間の無駄だし、飲んで体を壊すなんて、かっこ悪いよ。

【港区内格差】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo