• PR
  • 港区女子の向こう側 Vol.3

    彼女を“育てたい”港区おじさんと、巣立っていこうとする港区女子。すれ違いからの衝撃的な結末

    蝶よ花よと男性からもてはやされ、煌びやかな生活を送る港区女子。

    その栄華は当然ながら、長続きしない。

    彼女たちもそのことを理解しており、適切なタイミングで次のステージへと巣立ってゆく。

    かつて港区女子だったことを露とも思わせぬ顔で、彼女たちは“一般的な”東京生活に溶け込んでいく。

    外資系ジュエリー企業の宣伝部に勤める、香(カオル)。かつて港区女子だった彼女も、今は何食わぬ顔で東京生活に溶け込んでいる。

    香は如何にして「港区女子の向こう側」へと辿り着いたのだろうか。


    同い年の将生と出会い、彼の存在が気になるものの、26歳の港区女子・里奈がホームパーティーで料理を作ってきて、敗北感を覚える。

    香はホームパーティーの帰り、将生が好きだというビールを買って家で飲んでいると、彼氏の純一が出張から帰ってきた。


    「あれ?ビールなんて、珍しいね」

    最近はワイン一辺倒だった香に、純一はそう言った。

    「そうなの。たまにはビールもいいかなと思って…」

    別に悪いことをしている訳ではないのに、将生のことを思い返すとドキドキしてしまう。

    「そうか。香も大人になったね」
    「大人?」

    香がそう聞き返すと、純一はこう言った。

    「ビールもワインも、場面に合わせて飲めるようになれば、大人になったっていう証拠じゃないか」

    そう言って微笑む純一は、いつも優しい。

    どんなときも正面からぶつかってくることはないし、香の気持ちを先回りして優しい言葉をかけてくれる。一方、純一の言うことは正しいから、香の言いたかったことは喉元で止まってしまう。


    ―純一さんも、一緒に飲んでくれたらいいのに……。


    そう思ったが、その言葉はぐっと飲み込んだ。純一は、イタリア出張で忙しい中でも、ちゃんと香が好きなワインを買ってきてくれたのだ。

    「お土産のワインも飲んでみる?香が好きそうなの、見つくろってきたよ」
    「ありがとう。すごく嬉しい」

    そう言って、ワイングラスを取り出し、純一が買ってきたワインを2人で飲んだ。

    【港区女子の向こう側】の記事一覧

    もどる
    すすむ

    おすすめ記事

    もどる
    すすむ

    東京カレンダーショッピング

    もどる
    すすむ

    ロングヒット記事

    もどる
    すすむ
    Appstore logo Googleplay logo