マウンティングの虚像 Vol.10

「いいな、羨ましい!」でいい。女同士の近況報告で素直さを失うと、友達も失う

―マウンティングとは霊長類に見られる、社会的序列の確認と自己顕示のための行為。

東京の女たちは今日も霊長類のごとく、笑顔の裏でマウンティングを繰り広げている。

だが、一部の女は気づき始めた。 マウンティングは、虚像でしかないことを。

果たして、その世界から抜け出した先には、どんな世界が広がっているのか。

マウンティング世界の向こう側を、覗いてみたくはないだろうか。

東京でそれぞれの価値観で生きる、大手出版社に勤める麻耶(26歳)、港区女子・カリナ(27歳)、マウンティングとは無縁な女・玲奈(26歳)の3人。

麻耶は、玲奈の影響で徐々にマウンティングの世界から離脱していき、彼氏から振られたというカリナとも普通の会話が成立するようになっていた。


久しぶりに会う友人たちとの「近況報告」


麻耶は、久しぶりに渋谷まで足を伸ばした。

カリナ達と出会ってからは西麻布や麻布十番などで遊ぶことが多くなったが、自宅のある荻窪から渋谷までは電車で30分程ということもあり、学生の頃はよく遊びに行った。

この街に来たのは、いつ以来だろうか。

華やかな友人達と港区での遊びを覚えてしまってからは、自然とこの街から足は遠のいていた。

「人、多いなー。」

何とは無しに、居心地の悪さを覚える。学生時代からの友人との近況報告の場を、この街にしようと言い出したのは、いったい誰だっただろうか。

「きっと裕子かな。いや、杉ちゃんかも。」

周囲の喧騒に影響され、つい独り言を漏らしながら、麻耶は手元のグーグルマップを頼りに、ようやく目的の店まで辿りついた。

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