今さら聞けないワインの基礎知識 Vol.2

友達以上恋人未満。気になる相手との関係を1歩進める最終手段を教えて!

ワインは好きだけど、知識に自信はない。

そんな読者の皆さまから届いた質問を、高校生の時から(!)ワインの世界に心酔するという柳 忠之さんに、編集部が代表して聞いてみた!


Q.友達以上恋人未満の女性との関係を一歩進めるためのワインって?

――柳さん、じつはお聞きしたいことがあるんですが……。

柳「あらたまっていかがしました?」

――ある男性読者さんから、編集部充てにご相談をいただいたんです。その方には意中の女性がいるらしいのですが、なかなか友達以上の関係になれない。それでふたりの関係を一歩進められるワインはないかと。

柳「つまり、彼女を落とせるワインですか?」

――ずばり言うとそうですね。

柳「しかし、妻帯者の私に聞いてどうするって感じの質問ですが」

――おそらく柳さんもお若い時は、ワインで女性を口説かれていたのではないかと思いまして。

柳「若い時はお金がなかったから、ワインで女性を口説く発想はなかったですね。稼げるようになった頃は、すでに今の家内とつき合ってたし」

――ということは、奥様を落としたワインがあるわけですよね?

柳「たしかに。う〜ん、あれかな?日比谷の『アピシウス』で飲んだベガ・シシリアのウニコ。野うさぎを食べたいと彼女が言うので、一緒に行ったんですよ」

――さすが柳さんの奥様。

柳「その時にソムリエさんから勧められ、初めて飲んだのがスペインのロマネ・コンティといわれるウニコです。ヴィンテージは忘れましたが、妖艶なまでの熟成感にふたりして酔いしれました」

――へえ、ベガ・シシリアのウニコですね。(メモメモ)ちなみにおいくらですか?

柳「よく覚えていませんが、彼女が黒トリュフのパイ包みまで注文したので、ボーナスの半分が吹き飛んだ記憶があります」

女性を口説くワインに小難しい蘊蓄は禁じ手


――それは痛手が大きすぎますね……。ところでネット情報では、ボルドーのシャトー・カロン・セギュールがお勧めとあるんですが。

柳「シャトーを所有していたセギュール侯が、「我、ラフィットもラトゥールも造りしが、我が心、カロンにあり」と宣ったという逸話から、ラベルにハートマークが描かれているという、アレですね?」

――それです!

柳「しかし、このエピソードで彼女のハートを掴むには、1級格付けのラフィットとラトゥールを差し置き、侯爵が3級のカロン・セギュールに惚れ込んだことを説明しなくてはなりません」

――意中の相手にそこまでの知識があるとは限らないですよね。

柳「そう。相手がよほどのワイン通でもない限り、この手の蘊蓄は禁じ手です。それに……」

――それに?

柳「彼女の名前が理沙としますよ。「我、結衣や玲奈ともつき合いしが、我が心、理沙にあり」なんて、間違っても言っちゃダメでしょ」

――「私が3級ってこと!?」ともなり兼ねません。

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