部屋見るオンナ Vol.15

部屋見るオンナ:都内10か所以上を内見した優柔不断な女。最後に選んだ街とは?

あなたが東京で住みたい街は、どこですか?

なりたい自分に近付ける街、等身大の自分を受け入れてくれる街、お気に入りのレストランがある街。そう、街選びの基準は人それぞれ。

広告代理店に勤務するサトコ(32歳)は、一体どこに辿り着くのか。

その行く末をご覧いただこう。

同棲を解消して部屋探しを余儀なくされたサトコは、石神という不動産屋と共に様々な街と部屋を見て歩くことになった。

前回は、代々木公園駅へ行った。そしてついに、今まで見た部屋の中から決めると宣言し、石神と食事に行くことを強引に約束させたサトコだった。


向かい合って正面から見る石神の顔は、やはり綺麗に整っている。

こうして、仕事以外でだれかと真正面に向かい合うのは、随分久しぶりかもしれない。

「サトコさんがあの部屋に決めるとは、正直なところ少々意外でした。まだ空いていて本当に良かった」

石神は少しだけ目元を緩めて言ったが、やはり新宿御苑で見せた笑顔とはぜんぜん違う。結局サトコは、あの日しか彼のとびきりの笑顔を見ることはできなかった。

「石神さんには、いろんなお部屋を案内していただき、本当に感謝してます」

これまで、石神に案内されて12軒の物件を見てきた。その中からついに、サトコは1部屋を選び、契約まで済ませたのだった。

「32歳、結婚の予定もない。忙しいですけどやりがいのある仕事をやっている、ちょっとワーカホリック気味な私が住むには、あの部屋とあの街が、一番しっくりくるなと思えました」

そう言って、サトコが満足気な笑みを浮かべると、石神は大きくこくりと頷いた。

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