まるで言葉のボクシング?計算されたボディブローでKOを狙う
「へぇー、そうなんだ。カリナのサンローランのバッグお洒落だもんね。確かにこの間、アラサーになったらセリーヌかサンローランとかに移行しなくちゃいけないっていう記事読んだ気がする〜。」
現在27歳のカリナだが、あと少しで28歳になる。対して麻耶は先月26歳になったばかり。
26歳なりたても、もうすぐ28歳も人から見たら同じアラサーかもしれないが、港区おじさんにチヤホヤされて、若さ至上主義的な価値観に晒され続けているカリナには「あなたの方が少しおばさん」攻撃が有効な気がする。
他の子達も「そうだよね〜」と賛同してくれた。
だが、「うん、凄くお気に入り。彼氏が買ってくれたんだよね」と言ってバッグを見せつけてくるカリナ。逆に自慢する機会を与えてしまったのかもしれない。クラシカルなモノグラムのキルティングが眩しい。
「サンローランの新作キルティングバッグ(推定30万越え)を買ってくれる彼氏がいる」という、カリナからの攻撃はしっかり腰を回転させて打つフックのように麻耶に直撃する。
麻耶にも彼氏がいることにはいるが、彼の月給はきっとこのハンドバッグと同じ位だ。
そんな麻耶も、負けじと「私の彼氏も手作りディナーを用意してくれる思いやりがある」エピソードでカリナをブロッキングすれば、「今度一緒にハワイに行くんだよね、ビジネスクラスで」と重ねてボディーブローを効かせようとするカリナ。
港区女子相手に「彼氏がリッチ」攻撃を避けるのは、容易ではない。
攻撃がじわじわとボディに効いてきたところでカリナがトドメの一言を被せてきた。
「それに彼、ハワイで大事な話がしたいって言ってくれてて…それも楽しみ❤︎」
この東京で、28歳までにリッチな彼氏と結婚を決めそうな女に勝てる術はないのではなかろうか。
耐えきれなくなった麻耶の目に、戦意喪失を素早く感じ取ったカリナの見事なKO勝ちである。ここで不毛な会話は一旦終わり、カリナが勝ち誇った顔で言った。
「麻耶、今日は予約とかありがとう!皆んなで写真撮ろっ。」
その夜Instagramにアップされた写真の麻耶は、心なしか死んだ目をしていた気がする。
酷く疲れてしまい、飼っているチワワを撫でまくってつぶらな瞳と会話することで、ようやくメンタルを回復させたのであった。
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