マウンティングの虚像 Vol.2

マウンティングの虚像: 赤裸々に教えます。女たちの、SNSマウンティング”匠の技”

―マウンティングとは霊長類に見られる、社会的序列の確認と自己顕示のための行為。

東京の女たちは今日も霊長類のごとく、笑顔の裏でマウンティングを繰り広げている。

だが、一部の女は気づき始めた。 マウンティングは、虚像でしかないことを。

果たして、その世界から抜け出した先には、どんな世界が広がっているのか。

マウンティング世界の向こう側を、覗いてみたくはないだろうか。

大手出版社に勤める麻耶(26歳)と港区女子・カリナ(27歳)は、笑顔でマウンティングする仲。前回はmiumiuのバッグをネタに、押され気味だった麻耶。さて、今回は?


26歳。SNSチェックで始まる、不毛な朝


「またか…」

午前6時。枕元に置いてるスマホのアラームをオフにし、何も考えずにInstagramのアイコンをタップした麻耶は、寝ぼけながらもカリナがつけてきたコメントに言い表せない憤りと疲れを感じていた。

麻耶が昨日投稿したのは、『鮨 さいとう』でのランチの様子だ。

言わずと知れた予約の取れない名店だが、普段から麻耶を妹分のように可愛がってくれている女社長の、友人の一人が急遽来れなくなったからと、麻耶に声がかかった。

舞い上がった麻耶が、芸術品のような昼のコース一品一品を全て写真に収めたのは言うまでもない。寿司のアップ、職人さんの手元が入るショットなど、シャッター音を消してありとあらゆる角度から撮影した。

電話も繋がらないことで有名な名店に、運良く潜り込めた自分の幸運っぷりといったらどうだろう。

親や姉にLINEで報告するだけでは飽き足らず、その帰り道の電車の中で早速Instagramに写真をアップすると、

「すごーい!美味しそう♥」
『鮨 さいとう』に行けるなんて、麻耶ちゃんって普通じゃないよね!」

という賛美のコメントが続き、麻耶はその日中満足感に満たされていた。

だが、寝ぼけまなこでInstagramを開けて飛び込んできたカリナのコメントは、それらとは全く異質のものだった。

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