
母の荷物を持つようになり、親との役割が交代していくことを痛感する、上京10年目の春
「行ってきまーす」
代官山の、誰もいない部屋に向かって小さく呟く。
玄関扉の鍵をしめて、リモワの赤いスーツケースを引きながらエレベーターに乗り込んだ。
土曜日の朝8時過ぎ。旧山手通りの車は少なく、タクシーもまだあまり通っていないけど、しばらく待ってようやく通った1台......
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