上京10年目 Vol.3

上京10年目:電話越しに泣いた日。地方出身者が東京で手に入れたもの、失ったもの

―東京にいる意味って、何だろう―。

仕事のため、夢のため、欲望のため……?

上京10年となる節目の年に、人はあらためて問う。

自分が東京にいる意味と、その答えを。

28歳の朝子もその一人。朝子が抱える東京への固執と葛藤は、どこに着地するのだろうか。

大学入学に合わせて上京した朝子だが、このまま東京にいていいのかという迷いが芽生え、東京と故郷の間で気持ちが揺れ始める。食事会で知り合った東京出身の良太と出会い、さらにその気持ちは強くなった。


みんなの顔を見ると、東京に戻って来られなくなりそうだから


誘われていた同窓会は、欠席で返事を送ってしまった。

ちょうど4月初旬に、法事で実家に帰る予定があって、ゴールデンウィークにもう一度福岡に帰るための時間を作るのは難しいから。

それに、今懐かしいみんなの顔を見てしまうと、本当にもう東京に戻って来られなくなりそうで、それが怖くもある。

今の、PRの仕事は楽しい。終電帰りが続いてつらい時や、仕事でミスをしてしまい逃げ出したくなる時もあるけど、それでもやっぱりこの仕事が好きだと思ってる。

雑誌に紹介されている、同年代の女性と自分を比べては焦燥感に駆られることもあるけど、私だって東京で頑張っていれば、そこに行くチャンスはまだあるよね?

それが、東京に感じる魅力のひとつ。

地元にはない仕事、まったくスケールの違う仕事が、東京にはたくさんある。

だから、やりがいのある仕事を夢中で頑張ってきた。そして、欲しい物も少しずつ増やしていった。

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