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  • 中目黒2017 Vol.3

    中目黒2017:女の“ないもの探し”はアリ地獄。そこから抜け出せた、嫌いな男からの言葉

    桜咲き誇る、春の中目黒。

    高架下再開発などもあり、2017年現在、東京で最もupdate感のある街。

    そこで出会った、自意識過剰に見えながらコンプレックスを抱えた26歳の女と、思ったことをズバズバ言う28歳の男。

    二人は、シェアハウスというひとつ屋根の下でぶつかり合いながら、互いに何かに気づいてゆく。

    憧れだった外資系ハイジュエリーの広報部に転職した美奈だが、仕事がうまくいかず落ち込んでいた。現状を変えるべくシェアハウスに入居する。そこで苦手なタイプの男・司と出会い、彼を避けるようにしてシェアハウスに住んでいたが、ある日司にぶつかり気まずい空気が流れた。


    司「放っておけないような、力になりたいような」


    思いがけず美奈にぶつかった司は、柄にもなく動揺していた。

    リビングで遭遇した彼女からは、なんだかとても良い匂いがしたのだ。

    いつもの高飛車な雰囲気と正反対のイメージで、こちらを心地良くさせるような香り。そのギャップに、柄にもなく司の鼓動は乱れた。

    「あ、ごめん」

    動揺を悟られまいとするように、司は反射的に謝り顔を逸らす。

    女性が、仕事で認められるためには男の3倍頑張らないといけないと聞いたことがある。

    仕事内容だけでなく、周りへの気遣い、身だしなみ、丁寧さ...。求められることは多く、頑張り屋の女性ほど、自分をすり減らし消耗していく。

    美奈も、そんな女性の一人なのだろう。自分の弱い部分を隠すため、結果高飛車な態度をとるようになってしまったのだ。だが、本当の彼女はこの甘い香りが似合う、しなやかな女性なのかもしれない。

    「あんたさ、まわりを威嚇するのやめなよ」

    司は口を開き言葉を続けようとしたが、それを遮るように美奈が言った。

    「威嚇ってなによ。まるで私が気性の荒い女みたいじゃない」

    「いや、まだ話の途中だから。人の話は最後まで聞けよ」

    資生堂マシェリ_PC3

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