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  • 中目黒2017 Vol.2

    中目黒2017:シャンパンをポンポン開ける”ポン女”にはなれない。理想の姿が見えない26歳

    桜咲き誇る、春の中目黒。

    高架下再開発などもあり、2017年現在、東京で最もupdate感のある街。

    そこで出会った、自意識過剰に見えながらコンプレックスを抱えた26歳の女と、思ったことをズバズバ言う28歳の男。

    二人は、シェアハウスというひとつ屋根の下でぶつかり合いながら、互いに何かに気づいてゆく。

    憧れだった外資系ハイジュエリーの広報部に転職した美奈だが、自分らしさを発揮できずにモヤモヤを抱えていた。そんな現状を変えるべくシェアハウスに入居したが、そこで出会った司に無遠慮な言葉を浴びせられ、憤りを覚えたのだった。


    空回りしている自分がわかるから、余計にツラい


    「何あいつ、最悪!」

    美奈は、初対面の印象が最悪だった司を避けるように、シェアハウスでの暮らしを送っていた。

    一方の司は、美奈を避けるでもなく平然と挨拶してくる。それが余計に美奈の気に障り、さらに司を避けるようになった。

    美奈は、言いたい事を何でも言う男が嫌いだ。

    どんな関係でも、気遣いと尊重する心は持つべきだと思っている。だから司が人に対して遠慮なくズケズケ言い放っている姿を見ると、自分とは関係なくとも目についてしまう。

    だが司は、シェアハウスの住人たちから慕われているようで、彼のまわりからはいつも誰かの笑い声が聞こえる。

    美奈は、その笑い声から逃げるように、休日は中目黒の街を歩いた。

    高架下の蔦屋書店に行って、コーヒーを飲みながら雑誌を見たり、目黒川に舞い散った桜の花びらを眺めたりと、一人で中目黒の街を歩いた。

    駒沢通り沿いのアンティークショップ『ニューテリトリー』に行ったあとは、もう少し代官山の方まで足を伸ばして『フツウニフルウツ』のフルーツサンドを食べるのが、最近お気に入りのコースだ。甘いもので口の中を満たしている時だけは、しっくりこない毎日への不満を忘れていられるから。

    資生堂マシェリ_PC2

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