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  • 中目黒2017 Vol.2

    中目黒2017:シャンパンをポンポン開ける”ポン女”にはなれない。理想の姿が見えない26歳

    今日は珍しく、シェアハウスの先輩・沙織も誘い、『フツウニフルウツ』の外にあるテーブルで一緒にフルーツサンドを頬張った。

    ”ポン女”として、六本木でシャンパンをポンポン開けてるくらいの方が良いのかな」

    外資系ハイジュエリーの広報をしている女性が、世間から持たれているイメージを思い、美奈は呟いた。

    沙織は「美奈ちゃんったら、何言ってるの?」と笑ったが、美奈は案外本気でそう思っていた。

    実際、会社の”雰囲気美人”な先輩にはそういう女性もいる。色んなパーティに出没し、男女問わず知り合いが多く、その誰もが華やかで洗練されている。

    やみくもに顔を広げて夜な夜な六本木でシャンパンを開ける生活を送りたいわけではないが、仕事ができる先輩ほどプライベートも華やかなのだ。”雰囲気美人”なんて馬鹿にしていた自分が惨めになるほどに。

    美奈もはやく、そんな先輩たちと肩を並べたくて焦っていた。

    仕事ですぐに結果を出すことができないなら、せめて身なりだけでも負けないように、洋服とメイクで取り繕う。

    だが逆に、大した仕事もしてないくせに見た目ばかりに気を遣っている自分に、疑問も生まれる。

    司「自分の価値に気付いていない所が、見てて正直イライラする」


    「ああいう、無理してるのが分かる女の人、苦手なんだよね」

    司は、高飛車な女が嫌いだ。基本的に人を見下し、大きな態度で、何事も自分が一番優先されるべきだと思っているような女だ。

    美奈も高飛車な女である。だが彼女の場合は、少しだけ内情が違うように感じられた。

    数日前、高架下の蔦屋に行った時、司は偶然美奈を見かけた。コーヒーを飲みながら手元の雑誌に目を落とす彼女は、いつもの高飛車なオーラを脱ぎ捨て、柔らかな美しさを持つ女性だった。

    華があり、品を感じさせる雰囲気を持っている。誰もが知るハイジュエリーの広報をやっているのだから、それくらい当たり前なのかもしれないが、もったいないと思わずにはいられない。

    彼女の高飛車な雰囲気は、自信のない自分を隠すための鎧にしか見えない。

    ―変にまわりを威嚇せずに、もっと自分に自信持てよ。

    そう言いたくなるのだ。

    司は、六本木ヒルズに入るIT企業で働く28歳。横浜の裕福な家庭で何不自由なく育てられた。

    常に自分のペースを崩さず、思ったことは口にする。自分では正直でマイペースなだけだと思っているが、人から反感を買うこともある。

    何事にも束縛されるのが嫌いで、その時の気分で手軽に住まいを変えられるよう、シェアハウスでの生活を選んだ。

    今住んでいる中目黒は、これまで住んだ街の中でも特に気に入っている。少し歩けば代官山や恵比寿にも行けて、友人たちと会うのにも便利だ。

    日本で5店舗目となる『ブルーボトルコーヒー』もできたし、フランス発の人気の冷凍食品『ピカール』の日本3店舗目もオープンした。

    海外から初上陸したショップの1号店がオープンするような街ではないが、押さえる所はきっちり押さえるのが中目黒。六本木という雑多な街で働く司にとって、ほどよく緑があり、リラックスできるこの街は居心地が良いのだ。

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