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二子玉川の妻たちは Vol.17

二子玉川の妻たちは:所詮、私も井の中の蛙。戦意喪失したカリスマサロネーゼの引き際

結婚は、女の幸せ。

そう考える種類の女にとっても、結婚は必要条件に過ぎない。

結婚しただけでは満たされない。女たちの欲望は、もっと根深いものだ。

これまで、ポーセラーツサロン界でトップの座に君臨し続けてきたカリスマサロネーゼ・マリ。しかし同じマンションの下層階でおうちサロンを営む由美が徐々に力をつけ、目障りな存在となる。

子育てに時間をとられレッスン数を減らさざるを得ないマリは、転写シート販売を始めるなどトップの座を守ろうとすると必死。由美にも宣戦布告

しかしCA時代の後輩・香織に出張を依頼されて白金の豪邸を訪れたマリは、上には上がいる現実を思い知らされ、意気消沈してしまうのだった。


私は、ハリボテの存在…。


二子玉川のシンボルである、タワーマンションの最上階。

オレンジ色に染まる多摩川の夕景を、マリは焦点の合わない目で、ただ眺めている。

マリは今日、CA時代の後輩・香織の白金の豪邸に呼ばれ、白金妻たちを相手にポーセラーツレッスンを行い、先ほど帰宅したところだ。

そろそろ......


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二子玉川の妻たちは

結婚は、女の幸せ。

そう思われがちだが、結婚を手にした後、妻となった女は何処へ向かうのだろうか。

結婚しただけではその幸せは長続きしない。女たちの欲望は、もっと根深いものだ。

会社員時代には成し得なかった、“何者か”になることを求めて、妻たちは次のステージへと駒を進める。

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