二子玉川の妻たちは Vol.12

二子玉川の妻たちは:昨日の敵は今日の友。カリスマ・サロネーゼが考えた、ある秘策

結婚は、女の幸せ。

そう考える種類の女にとっても、結婚は必要条件に過ぎない。

結婚しただけでは満たされない。女たちの欲望は、もっと根深いものだ。

夢だったおうちサロンBrillaintをオープンした由美は、浮かれるも束の間、同じマンションの最上階にカリスマサロネーゼ・マリが越してきて出鼻を挫かれる。

アロマビューティーライフクリエイト協会入会し、雑誌掲載のチャンスを掴むなど試行錯誤しながら頭角を現す由美。

Brillaintが1周年を迎える頃、ついに人気サロンの仲間入りを果たすが、やはりマリは強者だったようだ...

自らを、夫の付属品に貶める妻たち


妻という生き物は、噂話が大好物である。

中目黒にある隠れ家フレンチ『スゥリル』

入口右手のソファ席を陣取るように、華やかに着飾った女たちが、親密そうに、しかし絶妙な距離感を保ちながら会話を愉しんでいる。

輪の中心で一際存在感を放っているのは、マリだ。
彼女はポーセラーツサロン界のトップに君臨する、カリスマサロネーゼである。

マリは、自身のサロン「luxe」に通う生徒を集め、定期的に今日のようなランチ会を開催している。生徒たちと十分なコミュニケーションをとり、教室離れを防ぐための策として。

しかし集まる生徒たちにとっては、それぞれが仕入れた噂話をアップデートする恰好の場として利用されているようだ。

そして、マリはいつも不思議に思うのだが、ここで繰り広げられる妻たちの噂話は、必ず夫の職業とともに披露される。

「林さんのお宅…ほら、旦那さんがお医者様の。2人目は女の子だったそうよ。」

などというように。

自分自身では何者にもなれなかった、何者かになることを諦めた妻たちの、せめてものアイデンティティが夫の肩書なのだろうか。

自らを夫の付属品に貶める妻たちの気持ちが、マリには理解不能である。

マリは自分自身の力でトップの座を勝ち取ってきたし、これからもその座を譲る気は、ない。

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