その日は、昼から一日中一緒にいた。目黒から中目黒、そして代官山まで買い物しながら2人でゆっくり街を歩いた。夜は目黒に戻り、『和創作 太』で食事した。
一日中ずっと一緒にいると、別れ際がとても寂しい。その気持ちを察したかのように、食事の後は慶一郎が家まで送ってくれることになった。
家の前に着き、「今日はありがとう」と言った後、しばしの沈黙が流れた。
「まだ、帰りたくない」
結衣の、一世一代の告白だった。
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「あ、これInstagramにあげてたやつ?」
今日は慶一郎が家に遊びに来ていた。結衣が気に入って使っているボディソープを手に持って、何やら懐かしそうに微笑んでいる。思えばこの『BOTANIST』のシャンプーとトリートメントを Instagramに挙げたことが、慶一郎と連絡を取り合うきっかけだった。
「結衣っていつもいい匂いするもんな」
にっこり笑う慶一郎に、胸がときめいた。やっぱりあの日、勇気を出して告白して良かった。結衣は心からそう思った。
「まだ帰りたくない」という一言がきっかけで、結衣と慶一郎は付き合うことになった。思いもかけない自分の言葉に驚いたが、本当に勇気を出して良かったと心から思う。
妹の結婚、オフィスの移転、祐也との別れ。
様々な環境の変化があったが、この目黒という土地で、何とか自分らしい暮らしを見つけられている気がする。
結衣は今、慶一郎と一緒に近所のレストランを開拓しているのにハマっている。2人で過ごす目黒での生活が、楽しくてたまらない。
―Fin.
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