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  • 目黒女子、27歳 Vol.4

    初デートでの「元カノが忘れられない」発言に、27歳目黒女子はどうする?

    目黒に住む女性と聞いて、貴方は何を思い浮かべるだろうか?

    遊び慣れているだけでなく案外堅実で家庭的な面もある目黒女子は、東京男子がお嫁さんにしたい候補No.1の属性であるといっても過言ではない。

    妹との同居を解消し、27歳にして初めて一人暮らしをするアパレル会社勤務の結衣が選んだ街も、目黒だった。

    目黒への引っ越しを決め、浮気性の彼・祐也に「新しい家には、もう来ないで」と宣言。Instagramに引っ越し報告をすると、昔好きだった慶一郎から連絡が。気になった結衣は食事に誘うものの、既読スルーされる。

    しかしある日、目黒川でランニングする彼に偶然出会ってしまったが?


    目黒川で再会して以来、結衣と慶一郎は頻繁に連絡を取り合うようになり、今日は初めての食事だった。

    慶一郎が予約してくれていたのは、目黒のフレンチ『Restaurant Unique』。大鳥神社を越えて目黒通り沿いにあるこの店は、慶一郎のお気に入りのようだ。

    本格的なジビエ料理とそれに合ったワインを店員と話しながら手際よく頼む。久しぶりに会った彼は少し痩せて男らしくなっており、その姿に結衣は不覚にもドキドキした。

    元カレ・祐也は結衣の手料理を食べるばかりで外食は滅多にしなかった。「結衣が作る料理が一番」と言われると嬉しくなってついつい腕をふるっていたが、今こうして慶一郎と向き合ってワインを飲んでいると、あの時の自分が少し馬鹿らしく思えてくる。

    高校時代はバスケしかしていなかった慶一郎が、すっかり大人の男の顔になっている。その横顔を、結衣はついつい盗み見た。

    大手百貨店でバイヤーをしている慶一郎とは共通の知り合いがいたり、同じ業界のイベントに出席していたことが分かったり、その場は大いに盛り上がった。

    食事が終わっても話し足りなかったので、近くのカフェでコーヒーを飲むことにした。同級生の近況を話しながら、結衣はマリが結婚したことを話した。

    「妹に先越されちゃって。私ももう27だから、頑張らないとな」

    すると慶一郎は持っていたコーヒーカップを静かに置き、にっこり笑ってこう言った。

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