まさかの既読スルー?スマホチェックばかり、してしまう。
「来週時間ある?目黒で気になるお店あるんだけど、どうかな?」
高校時代好きだった慶一郎を思いきって誘ったものの、返信がないまま1週間が過ぎた。
―既読スルーかぁ…。
結衣はソファになだれ込み、ひたすらスマホをチェックする。新着メッセージの表示が出るたびに、「もしかして…?」と期待に胸膨らませながらLINEを開くが、こういうときに限って母から写真(実家で飼っているゴールデンレトリバー)が送られてきたりする。
妹のマリとは違い、結衣は恋愛面ではかなりの奥手だ。1回のLINEが返って来ないだけで、かなり気にしてしまう。
―返信がないってことは、駄目なのかな。
そんな思いを振り切るかのように、ソファで大きく伸びをした。