部屋見るオンナ Vol.4

部屋見るオンナ:甘い匂い漂う街・自由が丘。この街に、華奢なヒールが不似合いな理由

あなたが東京で住みたい街は、どこですか?

なりたい自分に近付ける街、等身大の自分を受け入れてくれる街、お気に入りのレストランがある街。
そう、街選びの基準は人それぞれ。

広告代理店に勤務するサトコ(32歳)は、一体どこに辿り着くのか。

その行く末をご覧いただこう。

同棲を解消して部屋探しを余儀なくされたサトコは、友人から紹介された石神という不動産屋に会い、まずは目黒の物件を見に行ったものの、石神の失礼な態度に腹を立てた。

前回は白金高輪に行くも、自分には合わない街に思えた。今回は、偶然再会した孝太郎の住む街を訪れることにしたが…?


32歳。手に入れる権利はあるはずの、理想の相手


―あんな変わり者と結婚する人って、一体どんな女性なんだろう。

土曜12時。東急東横線に揺られながら、サトコは結婚について考えていた。

サトコが考える、理想の結婚相手像はこうだ。

身長は175cm以上、顔は中の上あれば十分で、何より欠かせないのは清潔感。誠実で社交的、自分の友人たちにも自信を持って紹介できるような相手。

きっと結婚したら、ホームパーティなんかも開くから、そこで堂々と友人たちをもてなし、適度に笑いを取れるようなユーモアセンスは欲しい。

さらに子供ができれば、運動会の父親参加の競技でもそこそこ活躍できるくらいの運動神経がある、健康的な人。

年収は、自分より多ければ高望みはしない。最低800万以上、欲を言えば1,000万以上は欲しいが、安定した収入があればそれでいい。

この理想が、決して高いとは思っていない。高いとしても、自分には手に入れる権利のある高望みだと思っている。

サトコは、自分の理想と石神を比較してみてゾッとした。石神はほとんど正反対のような男だからだ。

ただ、サトコは今、孝太郎とのデートに向かっているのになぜか頭に浮かぶのは、あの偏屈男・石神と、見たこともない奥さんのことだ。

―どんな人が奥さんなのか、すごく気になるんだよなぁ。

窓の外に流れる景色を眺めながら、そんなことをぼんやりと考えていた。

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