25時の表参道 Vol.9

25時の表参道:何でアイツばかり評価される?社会人3年目の同期格差と、男の嫉妬

会社内でのミーティングでフミヤと鉢合わせ、更に深まる嫉妬


昨夜は結局、ユリと結構深酒してしまった。二日酔い知らずのはずの体が、悲鳴を上げている。

午後、フミヤのいるチームと打ち合わせの予定があった。俺とフミヤ、そしてそれぞれの上司、計4人でのミーティングだ。

昨日遅かったのか、フミヤの目は赤く充血していた。1つのコピーを決めるのに、何十本、いや何百本も考えると聞いたことがある。

「コイツがこの間考えたのがね、一発OKでさ。うるさい取引先だったんだけど、随分助かったよ。」

打ち合わせ前の上司同士の会話。フミヤの上司が上機嫌で話している。

「うちの期待の新人だよ。こんなセンスあるやつ、最近珍しい。普段は何考えてるかよくわかんないのに。」

俺は入社当初、クリエイティブ志望だった。でも配属されたのは「俺は営業かなぁ」とぼやいていたフミヤだった。

「いや、そんなことないですよ。めちゃくちゃ駄目出しされたじゃないですか。」

笑いながら言うフミヤの顔は充実感に溢れている。

3時間ほどに渡る無意味な打ち合わせは、永遠に続くように思えた。

仕事が終わり、表参道に寄った。静香さんと会ったあの日の帰り道、タクシーの中からぼんやり眺めた表参道通りを、今日は当てもなくぶらつく。


美月から始まって、藤堂課長、そしてクリエイティブな仕事。

俺の欲しい物を、アイツは全部持っている。

これから、俺はこの要領の良さとコミュニケーション力の高さで、どこまで這い上がれるんだろう。所詮、社内政治を制する者が出世するんだ。

そう思うと、自分の人生が途端に虚しく感じてきた。

次週1.14土曜更新
深まる亮の嫉妬と、フミヤと静香の恋。その行方は…?

東京カレンダー本誌新宿号購入はこちら >

【25時の表参道】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo