東洋経済・東京鉄道事情 Vol.41

関東人が戸惑う「関西あるあるの鉄道お作法」!年末年始、関西にお出かけの方は要注意!

7)特別料金なしで乗ってOKな特急とNGな特急

JRの特急に乗るためは特急料金がかかることは誰もが知っているだろう。ただ、私鉄にも「特急」がある。そしてその特急、料金がかかる場合とかからない場合があるので注意が必要だ。これは関東・関西に限らないが、関西の場合は少々ややこしいのでまとめてみよう。

●特急料金が必要な路線

近鉄:乗車区間に応じて特急料金が必要になる
南海:空港線直通の「ラピート」、高野線直通の「こうや」「りんかん」、泉北高速鉄道直通の「泉北ライナー」は全車座席指定制で特急料金が必要。

●特急料金が不要な路線

阪急:宝塚線・神戸線はロングシートの一般車両。京都線は基本的にセミクロスシート(クロスシートとロングシートの両方を配置)の車両を使用
京阪:主に特急型車両8000系を使用。特急料金不要なのが不安になるほど落ち着いたセミクロスシートの車両。
南海:本線を走る特急「サザン」は料金不要の自由席ロングシート車を連結。指定席には別途指定席料金がかかる
阪神:一部でセミクロスシート車を使用

京阪電鉄の特急は特別料金不要だが2階建て車両も連結した豪華な列車だ(写真:IK / PIXTA)

つまり、近鉄は全線特急に乗るなら料金がかかる、JRなどでもおなじみのパターン。南海は路線によって扱いが異なるが、料金体系を見ると特急料金というよりは指定席料金とするのが自然かもしれない。そしてその他の私鉄では、こぞって特急を走らせているものの料金は不要。特に京阪ではかなり豪華な特急型車両にタダで乗れるのでお得なのだ。

JRの「○◯快速」とあわせてこの私鉄の特急事情を知り尽くせば、関西の移動を快適かつ効率的にこなすことができるだろう。

と、ここまで7項目にわたって関西と関東の鉄道の違い、というより、鉄道の“関西ならでは”な部分を紹介した。

他にも「阪急では1番線、2番線とは呼ばずに『1号線』『2号線』と呼ぶ」、私鉄は「◯◯電車」と案内される……など、関東人にとってはなかなか馴染めないことは少なくない。もちろん、どちらがいいとか悪いとかそういったことではなく、それぞれの地域の特性にあわせて発展を続けてきた結果、東西の鉄道にはさまざまな違いが生まれたということだ。

出張先や旅行先で、思わぬ違いに戸惑って乗るべき列車に乗り損なうことのないよう、予習しておくといい……かもしれない。

著者
鼠入 昌史 :ライター

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