東京イノセントワールド Vol.7

東京イノセントワールド:愛に欠けた女より、笑い合いながら餃子を食べる職場の女の方が...

欲望が渦巻き、誰もが成功を願う街、東京。

この大都会に長く住めば住むほど、大切な何かを失っていく気がしないでもない。

東京の独特な空気に飲まれて心の純粋さを失い、幼い頃に描いていた夢を失い、そして本来の自分らしさも徐々に消え失せていく。

長野県から上京してきた美穂と慎吾。大都会に揉まれながら、東京に染まっていく二人は都会の片隅でイノセントさを失わずにいられるのだろうか?

東京出身のマリエに対してコンプレックスを感じている美穂と、遅れて上京してきた慎吾は日々東京に染まっていく。そんな中、慎吾はマリエの誘惑に惑わされ始め、遂に超えてはいけない一線を越してしまい、マリエのために美穂との連絡をシャットアウトした。


人生を狂わす魔性の女に盛られた媚薬


もう、マリエに夢中だった。

自分でもハッキリ分かる。これが底なし沼への道だということを。でも、止められなかった。



—慎吾、大丈夫?どこかで倒れてたりしないよね?—

美穂から何度も連絡が来ていた。きっと本当に心配してくれているのだろう。何度も心が折れそうになる。だって、昔から知っている美穂からの連絡だから。

でも、返信することができなかった。マリエから連絡を取るなと言われている以上、それを守るしかない。自分でも、愚かなことは分かっている。でも、一度手に入れた東京の高嶺の花、マリエを失いたくない一心だった。

「マリエちゃん、最近美穂は元気?大丈夫かな?」

心配になってマリエに一度聞いた途端、自分の発言を後悔した。今まで見たとこもないような、残酷で冷たい視線をマリエから向けられた。あんな顔、二度と見たくない。それ以上、マリエに美穂のことは聞けなかった。

【東京イノセントワールド】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ