東京イノセントワールド Vol.4

東京イノセントワールド:様々な角度から元カレを見ていたら、自分を見失ってた

欲望が渦巻き、誰もが成功を願う街、東京。

この大都会に長く住めば住むほど、大切な何かを失っていく気がしないでもない。

東京の独特な空気に飲まれて心の純粋さを失い、幼い頃に描いていた夢を失い、そして本来の自分らしさも徐々に消え失せていく。

長野県から上京してきた美穂と慎吾。大都会に揉まれながら、東京に染まっていく二人は都会の片隅でイノセントさを失わずにいられるのだろうか?

東京出身のマリエに対するコンプレックスから医者と一夜を共にした美穂。後から上京してきた慎吾も東京に染まっていく。そんな中、美穂がライバル視しているマリエが純粋な慎吾を虎視眈々と狙い始めた...


言いたくても言えない言葉


お手洗いから戻ってきた慎吾に、マリエからのメッセージを見たことは言えなかった。

「で、何の話してたっけ?新しい男の話?」

明らかに慎吾の機嫌が悪くなっていた。私に隠れてマリエと連絡を取っている慎吾も同罪なのに。マリエだけはやめて...それをどうしても伝えたかったのに。



「強羅花壇の予約取れたよ!」

知らない男からの大きな声が電話口から聞こえた。久々に美穂と話したかったのに、結局他に男がいると知ってショックを受けている自分がいた。

「で、何の話してたっけ?新しい男の話?」

ムッとした美穂の顔を見て、お前が悪いと言いかけたが、自分もマリエのことがあるので何も言わなかった。


昨夜、22時くらいにマリエから急に六本木に呼び出された。



—慎吾ちゃん、相談があるのー
—というのは言い訳で、どうしても会いたくて —

こんなメールを、夜中に憧れの美女から貰って喜ばないバカな男はこの世に存在するのだろうか?武蔵小杉の自分の家に戻る途中だったが、喜んで反対方向の電車に飛び乗った。尻尾を振って、マリエに会いに行った。

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