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  • 企業戦士タカハシ Vol.2

    企業戦士タカハシ: 42歳。出世街道まっしぐらのはずが……「勝つまでやめなければ決して負けない」は真実か?


    「ああ、もう会社は俺に大した期待をかけてないんだな」って、瞬時にそう判断しました。

    子会社への出向が必ずしも出世コースからはずれるものでない。それは分かっているつもりです。実績次第では、本体での出世の大きな足掛かりとなることもある。

    でも今回の出向は、僕が目指す“最高峰”、つまり役員になるために必ずしも必要な道には思えなかったんですよね。後輩に部長職を出し抜かれ、しかも子会社への出向。そう、まさに泣きっ面にハチ。

    しばらくの間は、妻にも言えず、本当に泣きたい気分でした。彼女にはコンゴなんて僻地に連れてってだいぶ苦労をかけましたから、自分の旦那が飛ばされるなんてショックをできれば受けさせたくなかった。

    でも拓哉のように、浮ついた世界にエスケープするタイプじゃない僕に、逃げ場なんてないんです。これから先もこの会社に居続け、さらに“最高峰”を目指している。そうであれば、逃げずにたち向かうしかないんですよね。

    本体に比べると売上規模ははるかに小さいですが、子会社における僕の職位は執行役員。これが本体であったならばどれほど嬉しかったことかと思いますが、贅沢は言っていられません。

    僕よりも年上の部下たちを抱え、出向の立場だとなかなか地位を築きにくいものもありますが、ここで一旗あげれば本体に戻れると信じて、頑張りたいと思います。残りのサラリーマン人生、逆算してもまだまだ時間はあります。


    自分の立ち位置を確認しては、一喜一憂を繰り返す


    ストイックですか?
    そうかもしれませんね。それが僕のいいところですよ。

    会社の駒だと言われても構いません。みんな同じ人生ゲームを進んでいるんだから、駒に変わりはないですよ。家族のため、自分のため、僕は会社の中で出世競争という荒波を乗りこなす。

    先日、妻が家の中を整理していたら、息子が小さい頃に好きだった戦隊もののグッズがでてきたんですよ。それを見て思うようになりました。終電に近い山手線で、哀愁漂わせているサラリーマンだって、家に帰れば彼を頼りにする可愛い子供がいるのかもしれない。

    どんなに寝不足でも、身体に鞭打ち出社する。他人が見ればくたびれた背中でも、彼も立派に戦う企業戦士なんじゃないかって。

    もちろん、僕もですよ。

    長いサラリーマン人生、自分の立ち位置をまわりと比較しては一喜一憂してしまいますが、自分の志を強く持つことこそ、企業戦士の生き様ですよね。

    次回10月14日(金)更新
    4年後、46歳になったタカハシは出向のままか、それとも……?!

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