2016.04.21
SPECIAL TALK Vol.19プロゴルファーから実業家へ。人脈の広がりとともに事業を拡大
金丸:幼少期から世界を見て育ってきたフランク少年が、ゴルフに出合い、プロを目指す。そして22歳のときハワイに移住されますが、それはなぜですか?
フランク:一年中ゴルフができるからです。ボストンは雪が降るので、冬はゴルフができません。当時、ハワイにいた兄から「遊びに来ないか?」とチケットが送られてきたんです。とりあえず数ヵ月過ごしてみようかなと来てみたのですが、物価は高いし、仕事はない。お金がないから、車もバスも乗れない。もちろん、ゴルフもままならない。「もう、何のためにハワイに来たんだ?」ってね。当初は本当にお金がなくて、週100ドルで生活していたんですよ。でもコースに出るのに45ドルかかるから週2回プレーしただけで1週間の生活費がほとんど消えちゃう。節約のために、安いハムサンドばっかり食べていました。
金丸:そんな時期があったんですね。今のフランクからは想像できません。
フランク:そんなときに助けてくれたのが、日本の人たち。ちょうど西武系の「ハワイプリンス・ゴルフクラブ」に勤めはじめ、多くの日本人の方と親しくなりました。それこそ大企業の社長から地元の飲食店の方まで、ゴルフを通じて仲良くなった人たちが、社会的な地位を抜きにして助けてくれました。その頃の人脈は、今でも私の大きな財産です。
金丸:フランクの〝日本愛〞が、このとき深まったのですね。
フランク:その通りです。それに仕事を通じて日本人が何を求めているのかとか、日本人の持つきめ細やかな気配りや心遣いを学びました。優しさにたくさん触れて、日本のことがどんどん好きになっていきました。
金丸:その後、30歳のとき、プロゴルファーから起業家に転身されました。きっかけは何だったのですか?
フランク:ゴルフで生活できるようになってはいたのですが、「このままゴルフだけの人生でいいのかな。何か物足りないな」って。それで、新しいことにチャレンジしようと思ったんです。
金丸:ビジネスの世界への挑戦ですね。
フランク:最初のビジネスアイデアは、地元の人たちを対象にした特典つきのクレジットカードでした。「ハワイプリンス・ゴルフクラブ」は、日本人向けにゴルフ専用の特典がついたクレジットカードを発行していたのですが、調べてみると、クラブの利用者の78%が地元の人たちだったんです。なのに、彼ら向けのカードがない。「それなら、ニーズがあるのではないか。同じようなカードをつくれば、喜んでもらえるんじゃないか」と考えました。
金丸:しかし、30歳の若者がいきなりビジネスをやろうとしても、そう簡単にはいかなかったでしょう。
フランク:まさにその通りで、はじめは誰も相手にしてくれませんでしたね。でも地元の銀行の協力を取り付け、2年がかりで仕組みをつくり上げて実現しました。はじめてロイヤリティが振り込まれたときは、本当に嬉しかったです。これをきっかけに、日本からハワイに進出してくる企業のサポートや、PRやマーケティングなどのコンサルティングを行うようになりました。日本から夢をもってハワイに来る人たちを応援したくて。また不動産業も始めるようになりました。
金丸:プロゴルファーから経営者という、まったく異なるフィールドへの転身には、大変なご苦労があったのではないかと思います。そういった経験のなかで、過去と現在の結びつきを感じることはありますか?
フランク:いつも感じていますね。ひとつは、ゴルフ。ゴルフはリスペクトの精神が大事なスポーツです。13歳の頃から年配の方たちと回るなかで、人生で大切なことをたくさん教わりました。またゴルフにはルールがあり、皆がそれを守ります。それが私の人生やビジネスにも大きく影響しています。真面目にやってきたからこそ、苦労はしたけど、今の成功があると思っています。もうひとつは、幼少期に父と一緒にドイツ、韓国、日本と海外の空気を肌で感じたこと。各国の文化を知ることの大切さと、自分をオープンにして発信していくことの大切さを学びました。幼い頃からの経験が、今の自分のスタイルやマインドにつながっているんだと強く感じています。
金丸:点が線となり、今のフランクを形成しているのですね。
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