代理店女子マリア Vol.6

代理店女子マリア:担当メーカーのビールしか飲まない!は本当か。代理店飲み会幹事の手引き

広告代理店にはびこる、「チャラい」「遊び人」のイメージ。

広告代理店勤務の正社員女子たちにとって、代理店への先入観はレッテル以外のなにものでもない。

港区の大手広告代理店で、営業として働くマリア、29歳、彼氏なし。

大仕事が終わり、穏やかな日々を過ごすマリア。同期の柳沢の転職を機に、自分のキャリアにも疑問を感じ始めている。恋愛では、柳沢に紹介された、アベレージな男・阿部と、クライアント企業でエンジニアとして働く年下仮氏・ケイ。二人との関係に決着をつける時が迫っていた。


夏の恋に答えを出す、9月。


9月は、恋愛強化月間と名付けた。

先月働きすぎたせいで、マリアの残業時間はかなり積み上がっており、今月は部長から遠回しに残業禁止令を言い渡されていたのだ。

阿部のこと、ケイのこと、決着をつけなくてはいけない2つの恋愛案件を抱えたマリアには、ちょうどいいタイミングだった。

その前にまず、マリアが片付けなければいけないこと。
寝かせ続けていた柳沢の送別会が迫っていた。

たかが送別会、されど送別会。


いい男を紹介する引き換えに、柳沢の送別会の幹事を任されたマリア。

主賓である柳沢が幹事を指名すること自体、そもそもおかしいのだが、これまで苦楽を共にしてきた同期のマリアに、とにかく盛大に送り出してほしいという柳沢のリクエストだった。

代理店の歓送迎会の類いは、もはや仕事の域だ。

「クライアント」である主賓をどれだけ喜ばせることができるか、出席者たちをどれだけ巻き込んで盛り上げることができるか、全ては幹事の腕にかかっている。

なにより厄介なのは、その出席者が全員代理店の人間だという点。究極のサービス業従事者として、日々神経を張り巡らせている代理店の人間たち、たとえ身内の歓送迎会であっても、あれこれ口を出したくなる生き物たちが揃っているのである。

いつものように、後輩に押し付けようかと頭をよぎるが、他でもない主賓たっての希望だった。クライアント至上主義のマリアとしては、頑張らないわけにはいかない。

飲み会にコンセプトは必要か


幹事の仕事は、まず送別会のコンセプトの設定、お店探しからスタートする。

コンセプトは、主賓の性格をとらえ、会の趣旨に沿った内容が求められ、お店選びは、その場所やお店に込めた意味を求められる。

マリアは仕事の空き時間をつけて、早速六本木にロケハンへと向かった。

お店は後々決めるとしても、場所は六本木以外考えられなかった。マリアたちが担当するクライアントがある街、ここには酸いも甘いも柳沢の代理店男子としての思い出が、ぎっしりと詰まっているはずだからだ。

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