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  • 夏ヒルズ物語:本音を引き出す魔法の六本木ディナーで恋を成就せよ!

    「飲み物、どうします?」
    「ワインかな。お肉にはやっぱり」


    「私ね、なんかいつも誤解されるのよ。やれ、お嬢様だとか、常に日傘さしてそうとか。」
    「僕もそう思ってます(笑)」

    「今の仕事なんて、それこそ泥臭いのよ。まだまだ小さなメディアだけど、毎日朝から晩まで駆けずり回って。『マイ・インターン』って映画見た?あれのアン・ハサウェイの超いけてない版よ」
    「亜希子さん、映画好きなんですか!?俺、映画のPRの仕事やってるんですよ!」
    「なにそれ、超面白そう。どんな映画のPRこれまでしてきたの?」

    3回目でついにはじめて、会話のキャッチボールが生まれている!

    「お待たせしました。『和牛メンチカツバーガー』になります」

    和牛メンチカツバーガー。ボリュームのある和牛荒引き肉のメンチカツと、酸味の効いたタルタルソースとの相性が抜群 ¥2,000(税込)


    「これ、私至上最高のメンチかつだわ。」
    「最高級な雰囲気だけど、中身は庶民的で、味わったら最高っていうね」
    別な意味も込めて、康介は言った。

    「ところで亜希子さんって、彼氏いないんですか?」
    「もう2年くらいいないわ。最近じゃ仕事ばっかりで、飲みにもいかないし」

    「じゃあ、今日誘ったのも迷惑じゃなかったですよね」
    「うん、うれしかった。だって全然誰からも誘われないんだもん。ほら、「日傘でもさしてあげないと、外にも出ないだろうから」って(笑)」
    「じゃあ、夜に誘って正解だったんだ(笑)」
    康介は『グルメバーガーグランプリ』を色んな女性と巡る計画の方向性を、少しアレンジすることを思い立った。

    「亜希子さん、ここのハンバーガーって、ヒルズで開催してる『グルメバーガーグランプリ』ってやつで、26店舗、参加しているんですよ」
    「じゃあまだまだ美味しいハンバーガーあるんだ?」
    「よかったら、今度また別のハンバーガー食べるの、付き合ってもらえませんか?」

    「私でよかったら」

    「…亜希子さん、食事終わったら、映画でも見ません?まだ20時だし」
    「マイ・インターンみたいなのやってるかしら?(笑)」
    「シン・ゴジラならやってます」
    「ゴジラ、応援しちゃうかも(笑)」


    康介と亜希子は、ブラッセリー ル デュックを後にした。

    (終)

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