クォーターラバー Vol.2

クォーターラバー: 逃げ切れない義母問題。強烈な義母を持つ御曹司と結婚はできるのか!?

「3」という数字によって、恋人や夫婦は関係性が動くと言われている。

美人は3日で飽きる、3年目の倦怠期などの言葉が表すように、3には男女の心境を大きく変化させる意味があるのだ。またそれは3ヶ月である“四半期(クォーター)”にも当てはまり、この時期にはなにかが起こり始める。

祥子、30歳・独身。 地元の福岡から東京に出てきて早8年。中堅広告会社で働きながら東京生活を日々生きている。

前回は良い人だがセンスがなくて好きになりきれなかった太一とのクォーターラブを経験した。

出会いの数だけ別れがある東京で、クォーターラブを繰り返しながら 運命の人を探す祥子の恋愛を追いかけていく。


ご実家への挨拶


さっきから祥子はスマホを見ながら一人でニヤニヤが止まらない。忙しい金曜日の昼下がり、貴幸から「今週日曜、実家に来る?」とLINEが来たのだ。

付き合って3ヶ月弱。ついに長い婚活生活にも終わりを告げられたと思うと同時に、結婚後仕事を辞めて専業主婦になった生活を想像して浮き足立つ。専業主婦も悪くない。

同僚の結婚式で数ヶ月前に出会った貴幸。優しい目が印象的だった。最初は全く貴幸に興味がなかったが、太一と別れた直後にタイミング良く連絡があり、何気なくご飯に行くとすぐに意気投合。

「時間を無駄にできないので結婚前提じゃないと無理。」

と伝えると、真剣に考えているので結婚を前提にお付き合してほしい、と告白してくれた 。今時珍しい男気と貴幸の真面目で誠実な人柄に惚れ、交際がスタートした。

大手製菓メーカー勤務、30歳の貴幸。稼ぎは分からないが、車がレクサスで、時計は父から譲り受けたというアンティークのロレックス。意外な感じがしたが、堅実な人柄が持ち物にも良く表れていると思った。

性格も穏やかで優しく、良い父親になること間違いなし。付き合って暫く経った時、実家は小さな家業を営んでいると言っていたので、家柄も良さそうだ。全てが理想通りだけれど、祥子には一つだけ気になっていることがあった。

実家に帰る頻度だ。

田園調布近くにあると言う実家に、週末の度に帰っている気がする。家族がみんな仲良くて、と言われると何も言えないので口には出さないが、平日の夜でもご飯を食べにだけ帰っていると知った時は正直驚いた。

しかしそんな仲良し家族の場に呼んで頂けたのだ。その大きな意味を持つ日曜日まであと少ししか時間がない。人生を左右する大事な日に何を着ていくか、手土産に何を持って行くべきか……この日の午後は仕事が全く手につかなかった。

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