週末婚2016 Vol.14

週末婚2016最終回:同居?週末婚? 二人がミラノで選んだ結論。

前回までのあらすじ

週末だけ一緒に過ごす結婚・週末婚生活を送る諒介(31)と理帆子(35)だったが、諒介が上海へと出発するまでの間という期間限定での同居婚を送っていた。

しかし、出産まであと1ヶ月弱と迫った時に、理帆子は急にお腹が痛み出し……。

前回:ついに週末婚を解消。そして、意外な姑の申し出とは?


「上海モダンアートミュージアムの完成です!!」

上海市を流れる黄浦江の右岸側は浦東(プードン)と呼ばれるエリアで、上海のランドマークである上海テレビタワーを初めとして、高層ビル群が立ち並んでいる。

そのエリアの一角、黄浦江に面し、対岸の外灘(ワイタン)の19世紀後半に西洋人によって建築された歴史的な建造物も臨める一等地に、諒介が初めてメインデザインを手がけた「上海モダンアートミュージアム」は誕生した。今日はその竣工式だ。

当初中国側の意向は、とにかく派手で華やかで目立つこと、ということであった。だが、上海市は既に色とりどりの建物で溢れ、街の中は色彩の洪水といった様子だったので、諒介は先方を根気強く説得し、純白のデザインにすることでかえって目立つ新たな上海のランドマークになると説得したのであった。

ここまで大きな仕事は諒介にとって、初めてである。華やかな竣工式は、とても感慨深く、諒介の胸を熱くした。

「森島、2年半っていう長い期間に渡って、本当によくやってくれたよ。素晴らしい出来上がりだ。」竣工式には代表の堤も駆け付け、自分のことのように喜んでくれている。

「堤さん、どうもありがとうございます。この後、お時間ありますか? ご相談があります。」



「結婚6周年おめでとう! そして、ミラノサローネでの受賞、おめでとう。」
「諒介も美術館の完成、本当におめでとう。」

諒介は上海から、理帆子と娘の花凛はミラノから帰国し、恵比寿のイタリアン『キノエ〜季の恵〜』で結婚6周年を祝っている。


娘の花凛は未熟児で生まれたが、今のところは健康に育ってくれている。産後すぐは、理帆子の体調も安定しなかったが、既に母親を亡くしている理帆子にとって、姑・淳子の存在はあの時ばかりは有り難かった。

まだ2歳半の小さな子どもをファミレスならまだしも、大人が行くようなレストランに連れていくというのは、理帆子と諒介の価値観では有り得ないのだが、諒介の知人の紹介でシェフと親しくなり、今日は定休日だが、特別にランチだけオープンしてくれている。子どもが居てもどこか寛げるアットホームなこの店で、今日は結婚6周年のお祝いだ。

「この6年、いろんなことがあったわね。振り返ってみると、結局私は自分の好きなように生きてきた気がするわ。そうして来られたのはすべて、諒介のおかげよ。」

さっきから諒介の表情が冴えない。何か話しにくいことがあるのだろうか。

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