週末婚2016 Vol.12

週末婚2016:ついに週末婚を解消。そして、意外な姑の申し出とは?

前回までのあらすじ

週末だけ一緒に過ごす結婚・週末婚生活を送る諒介(31)と理帆子(35)。

諒介は、理帆子に離婚歴があったことも受け入れ、妊娠していることが分かったことで、上海に行くまでは一緒に住むことを提案する。期間限定での同居婚が始まるが……。

週末婚2016 vol.11:妻の妊娠!迎えるのは離婚? それとも!?


諒介が上海へ出発するまでの期間限定・同居婚生活が始まって半年ほどが経ち、理帆子は臨月を迎えている。

いよいよ来月には出産予定だ。理帆子の妊娠が発覚したことで、諒介は仕事の調整を必死にしてくれた。予定日通りであれば、ギリギリ出産に立ち会ってから上海へと出発できる計算だ。理帆子もまた、極力新規の仕事の依頼はセーブしながら、他のスタッフに任せるようにしていた。

期間限定とは言え、毎日諒介が家に帰って来ることは、結婚前から考えても初めてのことだ。

諒介はとても優しかった。上海の美術館のプロジェクトが多忙を極める中、理帆子をとても気遣ってくれている。心優しい夫が身重な妻を労わり、二人の子どもに会える日を心待ちにしている。恐らく、これは多くの女たちにとって最も分かりやすい幸福の形なのだろう。

だが、なぜだろう。理帆子はひどく居心地の悪さを感じている。つわりが安定期と言われる時期に入ってもしばらく続き、なかなか体調が安定しなかったせいだけではないはずだ。

妻の離婚歴を受け入れ、妊娠も喜んでくれ、夫婦として再スタートを切ろうとしてくれている心優しき夫。そして、それに応えようと理想的な妻になろうと自分は努めている。だがこれは果たして、自分らしい在り方なのかと問うた時、違和感が理帆子の内側に重い鉛の塊のように残るのだった。

諒介のことは確かに愛している。恐らく、彼が自分を思ってくれている以上のものだと理帆子は考えている。

前の結婚では、仕事と結婚生活が同時に始まり、さらに妊娠がきっかけとなって別れた。

それからしばらくは一人暮らしで、常に仕事を最優先に生きていた。恐らく、自分はこれから先そうやって生きていくのだろうと理帆子は思っていたので、まさか再婚をすることになるなど、思ってもみなかった。

だが、諒介との出会いは、唐突に訪れた。それが運命であると、後から振り返るような出来事とは、いつだってある日突然訪れるものだ。

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