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  • 新米弁護士 倉木麻美 Vol.4

    新米弁護士 倉木麻美 最終話:仕事と結婚。究極の選択を迫られ、キャリア女子が下した決断とは?

    ここ東京には仕事を生きがいにし、キャリアアップし続ける女性がたくさんいる。このお話は、男性主導の法曹界に足を踏み入れた、女性弁護士の光と陰を描く、ラブ&サクセスストーリー。

    (前回までのあらすじ)
    32歳・独身の倉木麻美。国立大学卒業後、大手飲料メーカーに就職したが、その向上心の高さから弁護士を目指し、現実のものにした。しかし、晴れて弁護士となった麻美を待っていたのは、理想とはかけ離れた地味でハードな日々。何度も挫けそうになる麻美を支えているのがメーカー時代からの恋人・純也だった。

    8年間、純也一筋。……だったはずだが、よき理解者だった司法修習時代の同期・雄介に想いを告げられて、心が揺れ動く。そんな中、セレブ主婦達との女子会で思いがけず、激励を受け「働く女」を貫く覚悟を決める麻美。より仕事に邁進し、やり甲斐と手応えを感じ始めていた矢先、純也から「話がある」とLINEが入る……。

    第1話:憧れの世界に飛び込んだアラサー女子が直面した試練とは?
    第2話:交際8年の彼と同業の男友達。天秤にかけて、上回るのは?
    第3話:女友達が掴んだ、優雅なセレブ主婦生活に何を想う?


    彼から「話がある」と突然の呼び出し。一体なにが……?

    ようやく弁護士らしい毎日になってきた。

    相変わらず、吉見は高圧的な態度だし、人使いは荒いのだが、必死に食らい付いてきたことが評価されたのだろう。資料作成以外の仕事が徐々に増えてきたのだ。

    顧問先の相談に同行させてもらう機会も増えたし、パートナー弁護士に変わって、リサーチ結果や意見を述べる機会も、少しずつだが与えてもらえるようになった。

    今日は、麻美が携わるプロジェクトがクローズして、会議室で先輩弁護士達と打ち上げをしている。難易度の高かったこの案件を振り返り、無事に契約交渉までこぎづけたことを互いに称え合っている。正直麻美がしたことは微々たることだが、この場にいられることを誇らしく思う。

    (一歩ずつだけど、渉外弁護士としてのキャリアを積み上げているよね、私。)

    眼下に広がる赤坂のきらびやかな夜景を眺めながら、悦に浸っていると、LINEが届いた。純也からだ。

    ―――麻美に話したいことがあるんだけど、今日、うちに来れる?―――

    (話って、なに!?)

    雄介に告白されたことがバレた? でも共通の知り合いなんていないし……。もしかして好きな人が出来たのだろうか。そういえば4月に入った新入社員が大学の後輩だったって嬉しそうに話していた。それとも最近、恒例の金曜デートもドタキャンばかりしていた私のこと、嫌いになった?まさかここにきて別れとかってないよね?

    様々な考えが頭の中を駆け巡る。会議室を出て、返信を送る。極力、普通に。

    ―――24時までには行けると思うよ! 話って? 気になる!―――

    廊下でしばらく待ってみたが、純也からの返信はない。いつもは、仕事中以外は即レスの人なのに。それが純也の気持ちをあらわしているようで、もやのように不安が広がる。

    ひと呼吸して何事もなかったかのように、会議室に戻る。さっきまで輝いてみえた、赤坂の夜景がちっとも目に入ってこない。

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